サッカーW杯ブラジル大会で、優勝候補ブラジルは準々決勝のコロンビア戦(4日=日本時間5日)に臨む。決勝トーナメント1回戦(6月28日=同29日)のチリ戦はPK戦にまで持つれ込むなど、ここまで持ち味の攻撃力が十分に発揮されていない。地元メディアも不満を伝えている。


 こうした現状に、母国を3度もW杯制覇に導いた「サッカーの王様」こと元ブラジル代表FWのペレ氏(73)は「ホーム(開催国)だから大変な重圧にさらされるのは最初からわかっていたこと。ルイスフェリペ・スコラリ監督(65)も常にその点を恐れていた」と指摘した。


 その上で「問題はネイマールに依存しすぎていることだ。私が監督だったら、カカ(32)かロビーニョ(30)、ロナウジーニョ(34)を呼んでいた。バリエーションを持たせるためにね」。さらに攻撃を活性化させるためセンターFWに、本来は右サイドのFWフッキ(27)を指名。ペレ氏は「やれるんじゃないか。フィジカルが強くとてもスピードがあってテクニックも優れている」。


 ブラジルにとって準々決勝は鬼門。2006年ドイツ大会、10年南アフリカ大会はいずれもベスト8で敗退している。しかも相手は大躍進を見せるMFハメス・ロドリゲス(22)擁するコロンビアとあって、ペレ氏以外にも本来の戦いができていないセレソン(ブラジル代表の愛称)への注文は後をたたない。


 こうした状況にエースFWネイマール(22)は反発し「いつも4―0、5―0で勝てるわけではない。僕たちはショーを見せたいわけじゃない。勝つためにここにいる。ブラジルが1―0で勝てば自分が何もできなくても幸せだ」と話した。


 W杯優勝が義務となっているブラジルは、国民の不満を封じる戦いで難敵を倒し、ベスト4に進むことができるか。