【W杯ギリシャ戦:全国各地のサポーターが熱いニッポンコール(1)=渋谷編】朝の列島が青く染まった。サッカーW杯ブラジル大会で日本の命運を大きく左右するギリシャ戦が行われた日本時間20日7~9時ごろは、通勤・通学の時間帯とぶつかった。そんな悪条件をものともせず、青のレプリカユニホームを着たサポーターが各地で集結。熱いニッポンコールを送ったが、スコアレスドローの結末に「ア~…」などとため息まじりの声が漏れた。

 日本代表のビッグマッチで常に騒ぎが繰り広げられる東京・渋谷は、キックオフ1時間前から青いユニホームを着た若者たちであふれ返った。ダーツバー「バネ・バグース」は、午前5時の閉店を延長してパブリックビューイング(PV)を開催。大勢のファンが大型スクリーンの前で日本の勝利を見守った。

 平日の朝とあって、有給や半休を取った勤め人も多い。28歳のOLは「すんなり休めた」が、そんな人ばかりではない。午前休暇を取った福祉業界の男性(30)は“完全犯罪”を仕組んだ。「1か月前から『持病の検査がこの日しかできない』と説明していた」。代表戦のために休んだと疑われそうだが「会社ではサッカーファンなのを隠しているので、問題ない」とぬかりなし。ただ「次のコロンビア戦、その次のトーナメントまで検査で休んだら、重病説が流れちゃうな…」と複雑だ。

 前夜から飲み明かした人も大勢いた。商学部の男子大学生(24)は「夜8時から友達5人で飲んでカラオケしてました。午前中の試合開催は日本に良い経済効果をもたらす」。19日に41歳になった芸能プロの男性マネジャーは、午後7時からお祝いしてもらっていたという。「誕生日はワイン3本開けた。日本の勝利で今日も祝杯をあげたい!」と気勢を上げた。

 しかし、0―0で試合が終わると各会場とも意気消沈。渋谷のスクランブル交差点は15日のコートジボワール戦より警備が強化され、ハイタッチも困難に。「ショボい試合。これでは会社に行っても仕事のモチベーションが上がらない」と30歳の男性サポーターは嘆いた。