キプロス戦の収穫は長友だが本田はもっと前に出ろ

2014年05月30日 16時00分

キプロス戦での収穫は長友

【武田修宏の直言】消化不良だった27日のブラジルW杯壮行試合・キプロス戦を見た人から「日本代表は本当に大丈夫ですか?」と聞かれたけれど、W杯本番に向けて良い面と悪い面が出た試合だった。気になったのは選手たちが戦術に忠実すぎたこと。パスを回して崩そうとするから、逆に攻め手を欠いて横パスばかり。ゴール前に大胆な縦パスを入れる場面が少なかった。本番を想定し、カウンターを警戒した戦術だと思うが、ボールを前に運ばないと攻撃に迫力は出ないんだ。

 

 なかでもFW本田圭佑(27=ACミラン)は物足りなかったね。戦術を意識して全体のバランスを取っていたけど、もっとリスクを冒して仕掛けないとゴールは生まれない。途中出場したFW大久保嘉人(31=川崎)が果敢にシュートを打つとチーム全体が活気づいたように、もっと前に出ないとダメ。同じ考えのままなら本番でも苦戦するんじゃないかな。

 

 収穫はDF長友佑都(27=インテル)でしょう。本当に素晴らしい走りを見せていたし、連戦の続く本番でも大きな力になる。左サイドバックがあれだけ攻撃参加してくれれば攻撃も厚くなる。相手のマークも厳しくなるだろうが、仕掛け方やタイミングを変えて突破を図れるのは強みだよ。

 

 それに相手DFが長友に気を取られれば、同じ左サイドのFW香川真司(25=マンチェスター・ユナイテッド)の周りにスペースができ、ドリブルで切り込んでいける。米国合宿でさらに連係を高めていけばW杯でも相手に脅威を与えられるね。右足を痛めて途中交代したことが心配だったけど、右ふくらはぎの打撲という軽症だったようで安心したよ。

 

 あとは守備的MFの山口蛍(23=C大阪)が良かった。守備に転じたとき、ボールへのアプローチが早い。バランスも取れるタイプなので、本番での先発もあるんじゃないかな。

 

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

 

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