前園氏がキプロス戦分析 本田以外は収穫あり

2014年05月29日 09時00分

高いモチベーションを感じた香川

 日本代表はブラジルW杯の壮行試合を兼ねた国内最終戦(27日、埼玉スタジアム)で、格下のキプロス相手にわずか1点と攻めあぐねた。途中出場の“サプライズ男”FW大久保嘉人(31=川崎)も奮闘したが無得点。FW香川真司(25=マンチェスター・ユナイテッド)、FW本田圭佑(27=ACミラン)ら期待の攻撃陣からゴールは生まれなかった。本番に向けて、不安はないのか。元日本代表MF前園真聖氏(40=本紙評論家)がザックジャパンの現状を診断した。

 

<前園真聖のゾノの焦点!>代表選手はハードな強化合宿を終えたばかりで疲労のピークでした。動きは重く、体のキレもありませんが、これは想定内です。予想に反してキプロスも組織的ないいチームだったので、簡単には点が取れないと見ていましたから、不安よりも収穫の多い試合でした。

 

 特に負傷明けの選手を全員試せたことですね。内田、DF吉田麻也(25=サウサンプトン)は影響を感じさせないプレーを見せましたし、右ヒザを2度手術したMF長谷部誠(30=ニュルンベルク)は、球際がパワフルで、ボールへのアプローチも非常に良かった。積極的にゴール前に駆け上がり、攻撃参加もあったので、もう心配はないでしょう。

 

 マンチェスターUでは試合に出ていない香川も高いモチベーションを感じました。普段は打たないミドルシュートを狙うあたりは、意欲的でした。まだ全盛期のデキではありませんが、このまま実戦を重ねていけば感覚も戻ってくるでしょう。彼はチームにとって特別な存在なので、あとは周りを意識せずに思い切ってやってほしいですね。

 

 大久保はさすがでした。W杯経験者らしく堂々としていたし、積極的な仕掛けに動き出しも良かったです。まだFW本田とのコンビが合っていませんが、大久保がいいタイミングでボールを要求しているので、連係が深まれば決定的な仕事をするはず。特に1トップで先発させれば、チームに大きな効果が出ることでしょう。

 

 この試合で少し気になったのは本田ですね。体調が整っていないことを差し引いても、彼らしくないプレーでした。特に前半はミスが多く、イタリアであまり試合に出ていなかった影響を感じました。相手と競り合いながらプレーする実戦感覚が失われているのかもしれません。日本は基本的に本田を経由してゴールに迫ります。そこでミスがあると、攻撃のスピードが上がりません。本番までに完全な状態を取り戻せるか。6月2日(日本時間3日)に米国で行うコスタリカ戦でのプレーがW杯のポイントになりそうです。