なでしこ「空中分解危機」救ったレジェンドたちの職人芸

2014年05月23日 18時00分

 やはり「レジェンド」頼みということか。サッカーの女子アジアカップ準決勝(22日、ベトナム)でなでしこジャパンは延長戦終了寸前にDF岩清水梓(27=日テレ)の劇的なゴールで中国に2―1で勝ち、5大会ぶり2度目の決勝進出を決めた。

 スコアレスで折り返した後半6分、MF宮間あや(29=岡山湯郷)の左CKにMF澤穂希(35=INAC神戸)が職人芸ともいえるダイビングヘッドで先制。だが、同35分にPKを決められて同点に追いつかれると、佐々木則夫監督(55)はその4分後に澤をベンチに下げた。酷暑の中での試合だったとはいえ、まだ澤の運動量は落ちていなかっただけに、この采配には首をかしげる関係者もいた。

 実は3月のアルガルベカップ(ポルトガル)の決勝ドイツ戦でも同じようなことが起きている。1次リーグ最終戦のスウェーデン戦から中1日で先発出場した澤は決勝も攻守にフル回転。破壊力抜群のドイツを完璧に封じていたが、疲労を理由に前半だけで交代させられた。これで選手が動揺し、後半だけで3失点してV逸。「澤さんは帰国後、周りの人たちに『納得いかない。まだまだできたのに』と怒っていた。これには宮間さんや他の選手も同情していました」とはINAC神戸関係者。

 悔しい思いをした澤はそこから体調面を立て直し、今大会に臨んだが…不可解交代劇はまたも繰り返された。このまま負けていれば、なでしこは来年のカナダW杯を前に空中分解しかねない状況だった。だが、宮間の正確なセットプレー、さらに最後まで走り抜いたMF川澄奈穂美(28=レイン)といった2011年ドイツW杯の優勝メンバーたちがチームを救った。ベテラン頼みの状況に変わりはないとはい
え、“澤ショック”を選手たちの力で乗り越えたことで、オーストラリアと激突する25日の決勝に向けて弾みがついたのは確かだろう。