これが「バルサ時代」の終焉を意味するものなのか? サッカーのスペインプロリーグ機構(LFP)は19日、2013―14シーズンのスペインリーグ・ベストイレブンを発表したが、これまで常連だったバルセロナからは選出ゼロ。今季の不振を象徴する結果となった。

 今回最大勢力となったのは、18季ぶり10回目のリーグ制覇を成し遂げたアトレチコ・マドリード。リーグ得点ランク3位の27得点をマークしたFWジエゴコスタ(25)ら7人が選出された。これに対し、レアル・マドリードからは31点を挙げて得点王となったFWクリスチアーノ・ロナウド(29)だけ。6季ぶりの無冠に終わったバルサからは選ばれず、得点ランク2位(28得点)のFWリオネル・メッシ(26)も個人タイトルなしというシーズンになった。

 かつて「世界一美しいサッカー」と称されたバルサはメッシの活躍とともに「世界一強い」クラブになったが、近年は力に陰りが見え始めた。昨季の欧州CL準決勝でバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に2戦合計0―7の大敗を喫してから歯車が狂い始め、バルサのパスサッカーの封じ方を心得たチームも増えてきた。

 日本代表経験を持つある選手は「あのサッカーがいつまでも天下をとっていたら、それに対抗する戦術も考え出されるようになる。バルサの時代は確実に終わりに近づいている」。世界のサッカーの潮流は「パスサッカー」からレアルやアトレチコが得意とするような「高速カウンター」に傾きつつある。6月のブラジルW杯でもこうした傾向が見られるのか、注目だ。