「直感ストライカー」大久保に不安材料

2014年05月20日 11時00分

複雑なザック戦術に大久保は不向き?

 サッカー日本代表FW大久保嘉人(31=川崎)はザックジャパンの救世主になれるのか。ブラジルW杯メンバーにサプライズ選出されて以来、注目を集めている。18日のJ1横浜M戦にはスタメン出場。チームは0―3と完敗を喫したが、大久保は「負けて嫌な思いを引きずると体に悪い」と21日に始まる代表の鹿児島合宿に向け気持ちを切り替えた。

 大久保には懸念材料がある。これまでアルベルト・ザッケローニ監督(61)の下でプレーしたのは約2年前に1度だけ。指揮官は常連組でも「とにかく細かい」と話すように複雑な戦術で知られる。難解なポジショニングや体の角度まで要求されるため、完璧にマスターするには「ある程度時間が必要」(和田一郎アシスタントコーチ)だという。

 本人は「全然合わせられるので心配してない」と自信があるようだが、ある川崎関係者は「ザックのやり方は細かいけど、嘉人の場合はあまり型にハメるより自由にやった方が生きる。普段は指示を守っても、試合を左右する場面なんかは自分で動くし、むしろいい動きをする。自分で考えて動ける選手だから」と話す。

 もともとゴールのにおいをかぎわけ、直感や本能でプレーするタイプのストライカー。実際、川崎は大久保に細かな指示を出しておらず、ほぼ自由にプレーさせているという。その結果、昨季はJ1得点王となり、今季もここまでJ1得点ランク日本人トップの8ゴールを決めている。

 選んでくれたザッケローニ監督の期待に応えようと細かな戦術理解にとらわれれば、最大のストロングポイントが消えることにもなりかねない。戦術面では最低限の決まりごとを守りながらも、大久保には自由にプレーすることが求められそうだ。