2015年カナダ女子W杯予選を兼ねたアジアカップ1次リーグA組最終戦(18日、ベトナム)でなでしこジャパンはヨルダンに7―0と大勝。同組1位と同大会4位以内が確定し、7大会連続7回目のW杯出場を決めた。佐々木則夫監督(55)は「皆がよく頑張った。まずはW杯出場を決めたということに尽きる」と話した。22日に行われる準決勝の相手は中国か韓国(19日に決定)となった。

 第2戦からスタメン全員を入れ替えた日本はMF猶本光(20=浦和)ら若手中心の編成で臨んだ。相手が格下だったこともあって結果的に大勝したが、肝心なところではMF阪口夢穂(26=日テレ)やDF宇津木留美(25=モンペリエ)らW杯優勝メンバー頼みのサッカー。さらに後半途中からMF澤穂希(35=INAC神戸)が投入されると全く違うチームに生まれ変わり、若手と主力イレブンとの実力差はいまだ歴然としている状態が浮き彫りになった。

 なでしこジャパンは11年ドイツW杯で初優勝、12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得して以降、世代交代が実現していない。日本サッカー協会の川淵三郎最高顧問(77)も厳しい見解を示した。

「若い選手は使われても育っていないし、ほぼ前回のW杯とメンバーが変わっていないんじゃないか。本来なら今の時点で4、5人は変わっていないと連覇は難しい」

 佐々木監督も「青写真はあるが、色を埋める若い選手が出てこない」と語っており、悩みは深い。来年6月のカナダW杯への道筋はできたが、世代交代への道のりはまだまだ遠い。