大久保に重大任務「FKチャンス製造機」

2014年05月16日 16時00分

大久保の持ち味はドリブル突破から、ゴールを目指すこと

 ブラジルW杯に臨む日本代表メンバーにサプライズ選出されたFW大久保嘉人(31=川崎)には重大任務があった。約2年ぶりにザックジャパン入りし、救世主として期待される昨季のJリーグ得点王。かつては瞬間湯沸かし器と呼ばれ、何度も退場処分を受けたが、これがW杯本番では大きな“武器”になるのだ。

 

 Jクラブ関係者は大久保の選出についてこう指摘する。「選ばれたのはJリーグのために良かったけど、起用法はどうなのかな? おそらくスタメンはないだろうね。途中から出てきてドリブルで仕掛け、前線でファウルを受けて、FKをもらうことが役目になると思う。日本には本田(圭佑=27、ACミラン)と遠藤(保仁=34、G大阪)がいるからね」

 

 大久保の持ち味はドリブル突破から、ゴールを目指すこと。相手DFには非常に嫌なタイプであり、真っ先に潰す対象となる。そこで、しっかりとボールをキープしてファウルを誘発する。敵陣のゴール近くでFKチャンスを得れば、日本の得点の可能性が広がってくる。

 

 日本代表にとってもFKなどのセットプレーは貴重な得点機会。2010年南アフリカW杯では全4得点中、2点をFKから挙げている。正確無比なキックを持つ遠藤と、“悪魔の左足”と呼ばれる無回転FKの本田。この二枚看板の力を最大限に生かすには、大久保のような潰れ役の選手が必要となるのだ。

 

 しかも、大久保は相手からファウルを受けやすい。同関係者は「試合中にキレて退場になることも多い選手だった。最近はまじめになって暴れていないけど、そういうデータは当然各国にも入っている。出れば狙われるけど、それが日本にとってはラッキー。ファウルをもらいやすくなるからね。ザッケローニ(監督)もそこまで考えて大久保を選んだんじゃないか」。

 

 かつては試合中に感情を爆発させる悪いクセがあり、日本代表でも大事な試合で2度も退場処分を受けた。だが、大久保は昨年、本紙の取材に「もうあのころのオレとは違いますよ。大人になったんです」と話している。現在では相手の挑発を受け流せるまでに成長した。FKチャンスを得るためにW杯でも奮闘するはずだ。

 

 これまで約2年、代表に選ばれていなかったストライカーに託された使命。サプライズ男の働きがザックジャパンの命運を握る。