<W杯>ザックジャパンの光は岡崎、青山、山口

2014年05月14日 11時00分

絶好調の岡崎

 サッカー・ブラジルW杯に臨む日本代表メンバー23人が12日に発表された。約2年間ザックジャパンに招集されていなかったFW大久保嘉人(31=川崎)が選出されるサプライズもあったが、アルベルト・ザッケローニ監督(61)のメンバー選考は妥当なものか? W杯本番で活躍が期待できる注目の選手は誰か? 本紙評論家の元日本代表FW武田修宏氏(47)が独自の視点で深層に迫った。

【武田修宏の直言】ザッケローニ監督の選んだW杯メンバー23人は順当な選出だったと思うね。これまで重用してきた選手を中心に、有事の際もしっかりとカバーできるチーム編成だ。MF長谷部誠(30=ニュルンベルク)、DF内田篤人(26=シャルケ)、DF吉田麻也(25=サウサンプトン)の負傷者たちが間に合わない場合も考えた選考になったんじゃないかな。

 大久保の選出は世間的には「サプライズ」と言われるけど、昨季のJリーグ得点王だし、多くの人から代表に望まれていた選手だからね。ある意味、これも「順当」と言えるかも。もともとスピードがあってドリブルで仕掛けられるし、DFラインの裏にも飛び出せる万能型。得点感覚に優れているから、ザックジャパンにとって大きな力になるよ。

 局面を打開できる貴重な戦力だから、役割はスーパーサブだろう。常にゴールを意識しているので、相手から見れば嫌な存在だよ。さらに言えば彼には経験がある。(2010年)南アフリカW杯をはじめ日本代表として長くプレーした。スペインやドイツでもプレーしたから、海外組や国内組の気持ちを理解してチームをまとめるには適任。ピッチ内外で重要な仕事を任せられるはずだ。

 今回の選出に関しては別の要素もあったと思う。大久保は今季ここまでJリーグで8ゴール。得点ランクで日本人トップにいる。「Jリーガー代表」と言えるストライカーを選ぶことで、ザッケローニ監督は「国内軽視」という見方を払拭したかったのかもしれない。実際、Jリーグで好調の選手が一人も選ばれなかったら、日本のサッカー界からは不満の声も出たはず。監督はそこまで考えたんじゃないかな。

 大久保以外で注目してほしいのは守備的MFで選出された山口蛍(23=C大阪)と青山敏弘(28=広島)の2人。

 山口はボールの奪取能力が非常に高いし、攻撃参加も的確でうまい。青山はチームのバランスを保ちつつ、前線へズバッとパスを入れる配給力がすばらしい。

 これまで守備的MFは長谷部と遠藤保仁(34=G大阪)が不動のペアでチームを支えてきたけど、3月のニュージーランド戦では山口と青山の新コンビが好パフォーマンスを見せた。本番で新コンビに代わる可能性もあると思う。それに本大会まで約1か月あるので、1トップのFW柿谷曜一朗(24=C大阪)、FW大迫勇也(23=1860ミュンヘン)を含め他のポジションも、レギュラーが大きく変動するかもしれないね。

 日本代表は、いい準備ができれば1次リーグを突破できるはず。キーマンは、やっぱりFW岡崎慎司(28=マインツ)だね。裏に抜ける動きやゴールへの執念はW杯でも通用すると思うし、彼のゴールが勝負のポイント。世界を驚かすことは十分可能だよ。

☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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