【J1第13節 鳥栖2ー1横浜M】悲願のW杯メンバー入りへ、鳥栖のエースFW豊田が最後の猛アピールだ。

 アウェーでの横浜M戦に先発出場した豊田は相手DF陣から徹底マークにあいながらも、持ち前の運動量で攻守に献身的なプレーを見せてチームにリズムを生み出す。

 すると前半10分にゴール前のこぼれ球にMF金民友が反応して先制ゴール。さらに同16分にはDF安田からの左クロスをFW池田がヘッドで叩き込み、2点リードで一気に試合の主導権を握った。

 安田が「トヨ君が前で潰れたり体を張っているおかげで、今日も点が取れている」と振り返ったように、いずれの場面も相手DFを引き寄せた豊田の動きがゴールへとつながった。いかにチームを勝たせるか、ストライカーとして真骨頂のプレーと言えるだろう。

 W杯日本代表メンバー発表前最後のリーグ戦で自身は無得点に終わったが、チームは2―1と勝利し首位をがっちりキープ。この意味は大きい。「首位にいるチームのセンターFWというのは意識した。得点できればよりアピールになったけど、これも一つのアピールになると思う」と豊田は胸を張った。決定力に加えて周りを生かせる力も兼ね備えていることを存分に見せつけ、その表情には充実感が漂う。

「W杯イヤーでどうしてもメンバーに入りたいと必死にやってきた。それが気持ちや結果につながった。家族や自分を応援してくれる方々に吉報を届けられれば」。持てる力を出し切って、運命の瞬間を待つ。