<ブラジルW杯>ブラジル世界最強!対抗はスペイン

2014年05月11日 11時00分

<ブラジルW杯:武田修宏氏が徹底予想(1)>ブラジルW杯がいよいよ6月12日(日本時間13日)に開幕する。世界王者を目指し、約1か月にわたる戦いを元日本代表FW武田修宏氏(46=本紙評論家)が徹底分析。ホスト国のブラジルが圧倒的な優勝候補と見られる中、欧州の強豪国はどう立ち向かうのか。ダークホースや最強ライバル国の行方など、ピッチ内外の要素を踏まえ、武田氏の出した「V本命」とは――。

 開催国ブラジルの国土は広大なため、移動は近年のW杯の中でも最も過酷だし、都市間の気温差も激しい。南米特有のピッチ(芝生)をどう克服するかという問題もあるよね。だから優勝国を予想するには「環境」が最重要ポイントになると思うんだ。

 素晴らしい監督をはじめ、優秀な選手をたくさん集めて、チーム戦力を整えても環境の変化に弱いチームは勝てないからね。MF本田圭佑がイタリアサッカーになじむのに苦労したのと同じだよ。そう考えると、やっぱり優勝に一番近いのは地の利があるブラジルじゃないかな。

 環境面への対応はもちろんだけど、スタジアムでも熱狂的な声援を受けられるし、どこに行っても国民がサポートしてくれるのは大きいよ。「絶対優勝」というプレッシャーは感じるだろうけど、ライバル国に比べれば有利な状況なのは間違いないだろうね。

 W杯は過去19回行われているけど、欧州以外の地域で開催された大会で欧州国が優勝したのは、2010年南アフリカW杯のスペインだけ。それも欧州とは時差がなかったので、負担が少なかったと思うんだ。北中米、アジア、南米で開催されたW杯は、すべて南米国が優勝しているように、欧州国は環境の変化に弱いんだろうね。

 もちろんブラジルは実力も抜けている。攻撃の軸にはFWネイマール(22=バルセロナ)がいるし、守備陣にもいい選手が揃ったからね。それに個人技だけと思われるけど、最近のブラジルは組織力もある。昨年のプレ大会のコンフェデレーションズカップでも優勝したように、まさに世界最強だね。

 対抗馬はスペインとドイツの争いだと見ているけど、今回はスペインが上かな。両国の実力はほぼ互角と思うけど、ブラジル開催で、同じラテン系のスペインが有利でしょ。これも環境面からだけど文化も言語も似ているから、ストレスは少ないよね。逆にドイツは真面目で勤勉な国民性だから、マイペースなラテンでは苦戦するんじゃないかな。

 総合的に考えて、ブラジル、スペイン、ドイツが3強と見ているけど、ダークホースとなりそうなのは、やはり南米勢のチリ、コロンビア、ウルグアイかな。この3か国は世界的なストライカーがいるのが魅力だね。ブラジルが参加していなかった南米予選を勝ち抜いて、チーム力もアップしているし、大番狂わせもあるかもね。

 2度も世界制覇しているアルゼンチンはどうかな? エースFWリオネル・メッシ(26=バルセロナ)の出来次第とは思うけど、今回は「永遠のライバル」といわれているブラジルでの大会だからね。どこで試合をしても完全アウェーになるだろうし、間違いなく毎試合ブーイングを浴びる。これは相当なハンディだし、ちょっと厳しいよ。

 少しだけ注目しているのはポルトガル。ブラジルの旧宗主国で親密な関係にあるから、大会中、そんなに大きな負担を感じることはないかもね。それに絶対的エースのFWクリスチアーノ・ロナウド(29=レアル・マドリード)が大爆発すれば十分に上位に進めるよ。ひそかに優勝も狙えるんじゃないかな、と思っているけどね。

 厳しい組に入ったザックジャパンは、十分に1次リーグを突破できるよ。コートジボワールとは最も難しい初戦で戦うけど、初陣はコンディションと情報を制したチームが勝利するといわれるよね。日本の分析力は素晴らしいから対策は万全のはず。2戦目のギリシャに対しても引き分け以上の結果が期待できるので、現時点では突破を確信しているよ。

 ただ決勝トーナメント1回戦の相手はD組の1位か2位のチーム。ウルグアイかイタリアかイングランドかわからないけど、苦戦は覚悟しないといけないだろうね。

(元日本代表FW)