<ブラジルW杯:武田修宏氏が徹底予想(2)>W杯得点王の最有力候補はズバリ、ポルトガル代表FWのC・ロナウドだね。歴代の得点王に共通するのは(1)準決勝以上まで勝ち上がる(2)1次リーグである程度得点を稼げる(3)その選手の得点パターンが確立されていることだけど、C・ロナウドは、この条件を満たしているストライカーだよ。

 C・ロナウドは13年のFIFAバロンドールを受賞したように、現在サッカー界最高の選手。彼のスピード、テクニック、パワーを封じるDFはいないと断言できるね。ドリブルからカットインしての決定力に、長短で精度の高いシュート力は異次元だし、FK力も世界トップクラスだよ。

 ポルトガルの入った1次リーグG組はドイツ、ガーナ、米国と強豪国が揃ったけど、今季のC・ロナウドは世界最高峰の戦いといわれる欧州チャンピオンズリーグ(CL)で得点を量産しているように、どんなDF陣でも敵ではないね。もう大会が始まる前から大本命って感じかな。

 アルゼンチン代表FWメッシもチャンスはありそう。同じF組のイラン、ナイジェリア、ボスニア・ヘルツェゴビナは、はっきり言って格下ばかり。マークがきつくなることも予想できるけど、それをこじ開ける個人技があるから、1次リーグからゴールを量産しそうだね。

 あと、気になっているのはフランス代表FWカリム・ベンゼマ(26=レアル・マドリード)。昨季と比べて決定力が上がったし、フランスにはMFフランク・リベリ(31=Bミュンヘン)らパサーも多い。前に挙げた2人に比べればマークも薄いから、1次リーグで得点を稼げれば面白い存在になるよ。
 優勝予想したブラジルはFWネイマール、FWフレッジ(30=フルミネンセ)、FWフッキ(27=ゼニト)ら得点を取れるストライカーが多く、誰か一人が突出しないと思うね。だからブラジルから得点王は出ないでしょう。今季絶好調のウルグアイ代表FWルイス・スアレス(27=リバプール)は「死の組」に入ったことで厳しいんじゃないかな。

(元日本代表FW)