<J1第11節(3日):浦和1−0FC東京>FC東京がアウェーの浦和戦に敗れ2連敗。W杯代表発表を間近に控え、代表候補トリオを擁する守備陣がまたも不安を露呈した。

 終盤まで無失点で持ちこたえていたが、勝負どころの後半34分に浦和の左CKからMF阿部にヘッドを叩き込まれて痛恨の失点。これが決勝点となり、接戦を落とした。

 セットプレーからの失点は今季のFC東京でお決まりの敗戦パターン。4月12日の広島戦、前節同29日の名古屋戦でも同様の形で決勝ゴールを奪われており、この日もまるでVTRを見ているかのようなシーンだった。

 そうした致命的な問題を抱える守備陣の中心にいるのが、DF森重、MF高橋、GK権田の日本代表候補勢だ。

 セットプレーの失点は必ずしも個人の責任とはいえず、今季の失点場面でも森重や高橋が競り負けたりマークを怠ったわけでもない。

 しかし「2試合連続で、広島戦でもそうだった。チームとしてその場の雰囲気や掛け声だったりは無かったと思う」と高橋が語ったように、GKを含めた守備陣全体が集中力を欠き、効果的な指示をお互いに出せないまま相手に付け入る隙を与えていることは見過ごせない。それはセンターラインを支える代表トリオの責任と言えるだろう。

 フィッカデンティ監督が「メンタルの部分で足りなかったものがある。そのへんを修正しなければならない」と苦言を呈したのも当然だ。

 12日のW杯メンバー発表まで、あと8日。FC東京の代表候補勢は名誉挽回を果たせるか——。