全国高校サッカー選手権で山梨学院(山梨)を11年ぶり2度目の優勝に導いたのは、長谷川大監督(47)の〝ハイテク革命〟だった。

 就任2年目で全国制覇を成し遂げる偉業を果たした指揮官の代名詞となっているのが、タブレットやインカムなど電子機器を積極的に用いるスタイルだ。

「セットプレーとかリスタートのところのチームのバランスや考え方を俯瞰できるものとして、情報戦で取り入れている。Jリーグや大学のチームなどで取り入れているチームもあり刺激を受けた。今年はそういったものがうまく機能している」と長谷川監督は説明。最新機器を導入して、戦術や相手の分析に生かしている。

 この日の試合でもフル活用。「攻撃時のセットプレーの担当に分析をしてもらっていた。たとえば(スタンドからコーチが)山田さんの守備の配置などを見て『今回はこのパターンがいいんじゃないか、この形でCKをいきましょう』などと指示を受けて、それをこちらで選手に指示する。選手の疲労や状況に応じてセットプレーのパターンを変えていきたいと思っていたので、上から見てもらうことでパターンを変えていくのがすごく有効だった」と強敵撃破に一役買ったことを明かした。

 下馬評では3年連続で決勝に進出した青森山田が圧倒的に有利とみられていたが、指揮官のどん欲な姿勢が勝利を引き寄せた。