5月12日のブラジルW杯メンバー発表に向け、元日本代表DF田中マルクス闘莉王(33=J1名古屋)の“沈黙”が波紋を呼んでいる。

 闘莉王といえば、母国開催となるブラジルW杯出場を誰よりも熱望。昨年も「必要とされたら、スタンバイしている」などと猛アピールしていたが、このところW杯に向けた発言がない。また比例するかのように代表復帰を待望する声も減り、DF吉田麻也(25=サウサンプトン)が負傷離脱しても唯一、J2岐阜のラモス瑠偉監督(57)が「闘莉王も見てみたい。経験あるし1対1も強いからね」と口にした程度だ。

 一体どうなったのか。名古屋関係者は「正直、今季の闘莉王は良くないからね。本人も『W杯』を口にできる状態じゃない。現実問題、メンバーに入るのは厳しい」と打ち明ける。

 名古屋は現在、リーグ戦4連敗中。この4試合で10失点を喫している。守備の要であり、今季はチームの主将を任されている闘莉王の状態が良くないのは明白だ。

 さらに持ち味である得点力も鳴りを潜め、3月1日の清水戦で決めた1ゴールだけ。MF本田圭佑(27=ACミラン)が代表で背番号「4」を背負うのは闘莉王の代表復帰を待ち望んでのことともされるなか、闘将はこのまま黙っているのか。