前園氏が占うW杯ザックジャパン23人の行方

2014年04月17日 11時00分

ブラジルW杯メンバー23人の行方を占った前園氏

 本紙サッカー評論家に就任した元日本代表MF前園真聖氏(40)が、5月12日に発表されるブラジルW杯メンバー23人の行方を占った。MF本田圭佑(27=ACミラン)とMF香川真司(25=マンチェスター・ユナイテッド)の現状はどうなのか。待望論のあるFW大久保嘉人(31=川崎)らは選ばれるのか。名将アルベルト・ザッケローニ監督(61)の選考事情について徹底分析した。

 

 ――ようやく仕事が本格復帰となった

 

 前園:昨年は私事でご迷惑をかけました。またよろしくお願いします。

 

 ――W杯に臨む代表メンバーについて

 

 前園:今の代表を考えると、本田と香川の状態は問題ですね。2人は日本の中心なので、パフォーマンスが低下すれば日本のチーム力も落ちてしまう。そこは気になります。本田はイタリアになじんで上向きですが、香川は心配ですね。

 

 ――香川の現状をどう見ているか

 

 前園:素晴らしかったドルトムント時代のパフォーマンスの半分も出せていない。特長としては一瞬で前を向いて仕掛けるところですが、マンUでは見られない。移籍2年目も試合に出られないので、競り合いの体力や相手との間合いなど感覚が鈍っているのかもしれない。

 

 ――今季は特に出番が少ない

 

 前園:最近は試合に出てきても、ちょっと自信のなさが目立ちますね。ボールを保持する選手を指さしながらパスコースを指示しているんですよ。これまでは見られなかったシーンです。自分に自信があるなら「パスをよこせ」と要求するもの。弱気なんでしょうね。W杯本番にも影響しかねません。

 

 ――日本代表では国内組だけの合宿があった

 

 前園:今回はMF遠藤保仁(34=G大阪)やFW柿谷曜一朗(24=C大阪)ら常連組が選ばれていません。これでわかるように、主力にケガ人が出た時に備えてのもの。世界で戦えるメンバーがいるかを見極めるための合宿でしょう。仮にケガ人が出たとしても選ばれるのは1人くらいかな。

 

 ――昨季のJ新人王FW南野拓実(19=C大阪)の評価が高い

 

 前園:攻撃のところで変化をつけられる選手で可能性はあります。ただ彼は2列目(攻撃的MF)の選手。本田、香川、岡崎(慎司=28、マインツ)がいて、ほかにも実績のある選手が候補にいるところで、南野が入れるのか。ザッケローニ監督は「次のW杯に向けて」という考え方をしないので難しいでしょう。

 

 ――DF塩谷司(25=広島)はどうか

 

 前園:J2水戸時代からよく知っている選手です。センターバックやサイドバックだけでなく、ボランチもできる。身体能力が高いので、バックアップならあるかもしれません。もしDF吉田麻也(25=サウサンプトン)が間に合わなくても、戦術を理解していて、かつて招集した選手が呼ばれるはずです。

 

 ――では救世主になりそうな選手はいるか

 

 前園:Jリーグで実績のあるFW佐藤寿人(32=広島)やFW大久保、DF田中マルクス闘莉王(32=名古屋)らに待望論があります。彼らが日本代表で活躍する姿を見たいですが、正直に言えば、23人のW杯メンバーに関してはサプライズ的なものはないと思いますよ。

 

 ――どうしてか

 

 前園:ザッケローニ監督の方針を考えると、初招集した選手をすぐに試合で起用することは少ないです。監督も話していましたが、チームの雰囲気を大事にしているので、合宿や練習を通じてチームになじませてからでないと使わない。待望論のある選手は長い間、代表に呼ばれていないから急には難しいでしょうね。

 

 ――そうですね

 

 前園:闘莉王も高さは魅力ですが、影響力のある選手なので、積み上げてきたチームの雰囲気を壊す可能性もあります。南アフリカW杯でまとめ役にGK川口能活(38=J2岐阜)を抜てきしたようなベテランの選出もない。監督は勝負師なので、功労などピッチ外の要素で選手を呼ばないし、試合でどう戦えるかを最優先するのではないでしょうか。

 

 ――結局は常連組でチームが編成されそうだ

 

 前園:ひとつ問題なのは右ヒザを手術した主将のMF長谷部誠(30=ニュルンベルク)がW杯に間に合うのか。守備的MFは山口蛍(23=C大阪)が存在感を見せているのでザッケローニ監督が戦力にならないと判断すれば外しますね。その場合、キャプテンをどうするのか。そこは選考にも影響するかもしれません。

 

☆まえぞの・まさきよ=1973年10月29日生まれ。鹿児島県出身。鹿児島実業高から92年にJリーグ横浜F(のちに横浜Mと合併)に入団。レギュラーに定着すると、94年に日本代表入り。96年アトランタ五輪では日本(U―23)の主将として王者ブラジルを破る「マイアミの奇跡」を演出。97年に当時国内最高額の移籍金3億5000万円でV川崎(現J2東京V)に移籍。その後は国内外で移籍を繰り返し、2005年に引退。12年に公認S級ライセンスを取得。170センチ、68キロ。

 

※21日(月)から前園氏が半生を振り返り、知られざる秘話を公開する連載「流浪の天才ドリブラー」を東スポWebで掲載します。