いよいよ“あの男”の登場か。ザックジャパンでは守備陣に負傷者が続出している。6月のブラジルW杯に向け不安がささやかれるなか、日本代表のエースMF本田圭佑(27=ACミラン)は元日本代表DF田中マルクス闘莉王(32=名古屋)の復帰を待ち望んでいるという。エースが背番号「4」に込めた意外なメッセージとは――。

 12日の試合で負傷した日本代表DF今野泰幸(31=G大阪)は13日、打撲と診断された。幸いにも軽傷だったが、ザックジャパンではDF吉田麻也(25=サウサンプトン)が左膝靱帯損傷を負ったのをはじめ、DF内田篤人(25=シャルケ)が右太もも肉離れ、MF長谷部誠(30=ニュルンベルク)も右膝半月板損傷で離脱と、守備陣にケガ人が続出している。

 そんななか、エース本田は“あの男”の復帰を待ちこがれているという。かつて所属したJ1名古屋の関係者によれば「なぜ本田が背番号4番を選んだのかというと、闘莉王のことが頭にあったからだよ。闘莉王がいない間は、自分が代わりに日本代表を引っ張っていくという気持ちだった。“主(あるじ)”が戻ってくるのを、待ち続けるつもりだったんだよ」

 本田が熱望していた背番号「10」は、11年のアジアカップからMF香川真司(25=マンチェスター・ユナイテッド)が背負っている。その後、右膝半月板手術を乗り越えた本田は、12年5月に「18番」から闘莉王がつけていた「4番」に変更を志願した。

 2人は2010年南アフリカW杯で日本をベスト16に導いた戦友。攻撃をけん引する本田にとって、闘莉王は不安の残る守備面を任せられる貴重な戦力だった。同時に、本田にもズケズケと意見を言ってくれる頼もしい兄貴分でもある。日本代表の世界制覇へ向け、欠かせない人材と考えているようだ。

 本田は背番号を変えた際に「好きな番号って言われれば10だけど、真司の10は決まってるでしょ。現実的に何か面白い番号はないかって考えた。4番はDFだけど、そういうイメージは払拭したい」と解説したが、実は“闘将”へのメッセージが込められていたのだ。

 闘莉王は10年10月の日本代表合宿を負傷辞退してから一度も招集されていないが、本田以外にも代表復帰を求める声は多い。ザッケローニ監督(61)も「闘莉王は非常にいい選手だと思う」と代表候補リストに名があることを示唆している。

 ブラジル出身の闘莉王がW杯メンバーに選出されれば、地元のサポートを受けられるというメリットもある。果たして本田の願いはかない、闘将が再び青いユニホームに袖を通すのか。