サッカー日本代表候補は9日、千葉県内で行われた3日間の合宿を打ち上げた。MF本田圭佑(27=ACミラン)ら海外組のほか、FW柿谷曜一朗(24=C大阪)をはじめとした国内組の主力も不参加。代わりにU―19日本代表のFW南野拓実(19=C大阪)といった若手が呼ばれ、新戦力発掘を目的とした。

 アルベルト・ザッケローニ監督(61)は合宿の総括で「情報が少ない選手を見たかったので、有意義な3日間だった。選手たちも日本代表に呼ばれたということで、アピールしてくれた」と収穫が大きかったことを強調。5月12日のブラジルW杯メンバー発表に向けても「人材が豊富なのが悩みだ。ギリギリまで悩みたい」と語った。


 果たして、本当に有望な新戦力は見つかったのか? 9日の流経大との練習試合(2―0で日本代表候補が勝利)を視察した大学サッカー関係者たちからは「これと言って目立った選手もいなかった。もっとバチバチやるのかと思っていたが、真剣にやってる感じでもなかった。そもそも合宿をやる意味があったのか?って思う」と辛らつな感想もあった。

 参加選手は6日にJリーグを終え、翌日から合宿に参加するハードスケジュール。日本サッカー協会としてもJリーグの手前、選手の負傷だけは禁物のため無理をさせるわけにもいかない。そんな状況での合宿だけに、選考に直接結びつくとは考えにくいという。

 一方、日本サッカー協会の原博実技術委員長(55)は「今回、来なかった人にはいい刺激になったのでは」と話した。ザックジャパンの主力メンバーたちに「ウカウカしていると足をすくわれるぞ」というメッセージを送ることこそ本当の目的だったのかもしれない。