J1浦和のサポーターが差別的横断幕を掲げた問題が、まだまだ尾を引いている。Jリーグから制裁として科された無観客試合(23日、清水戦)で、サポーターが埼玉スタジアム周辺への“参戦”を自粛する可能性が出てきた。

 事情に詳しい40代の浦和サポーターは「今のところ大量動員がかかってないし、ほとんど会場近辺には行かないと思う。もし大勢が集まっても、おもしろおかしく伝えられてしまうだけだし、それに周辺も立ち入り禁止になるかもしれないからね」と明かす。

 世界各国では無観客試合になると、両チームのサポーターがスタジアム周辺に集結。激しい応援合戦を繰り広げ、逆に無法地帯と化すこともある。浦和の淵田敬三社長(59)は「不測の事態を考えないといけない」と緊急に対応を協議する方針を示したほどだ。

 だが、クラブ側に警備の負担を強いる点などからも、サポーター間には自粛ムードが漂っているという。現状では大規模なパブリックビューイングなども計画されておらず、スポーツバーなどでこぢんまりと応援することになりそうだ。処分後、最初の試合となった15日のアウェー広島戦は2―0で勝利。禁止された横断幕や旗がなくても、1800人のサポーターは声と手拍子で応援した。このまま、生まれ変わった姿を続けてほしいものだが…。