Jリーグでは2007年以来の現場復帰となったJ2岐阜のラモス瑠偉監督(57)が開幕戦の讃岐戦(3月2日、長良川)を前にしたたかな戦略を明かした。

 指揮官はシーズンに向けて「J2は簡単じゃないって。(強豪の)京都だって千葉だって簡単には勝てない。だけど、いいサッカーを見せる自信はある。岐阜のイメージを変えたいと思ってますよ」と繰り返し、明確な目標を掲げていない。

 現役時代から「優勝しか考えていない」などと高らかに宣言してきただけに控えめだが、これには理由がある。「マスコミにはいつも目標とか聞かれるけど、オレは言わないよ。決めると『達成できませんでしたね。どうするんですか』とか聞かれるからね」

 J2東京V監督時代の06年には「1年でJ1昇格」を表明しながら7位に終わった。サポーターから激しく非難されたトラウマがある。「私もバカじゃないよ。ヴェルディの監督やった時からわかっている。だから目標は言わないって。質問するほうがおかしい」と語気を強めた。

 J2には、J1昇格やJ2の6位以上が参戦できる昇格プレーオフ進出など、具体的な目標を設定する指揮官もいる。ところが「ほかの監督も心の中では絶対に『優勝したい』って思っているのは間違いないよ。やるからには誰だって優勝したい。けれど言わないでしょ」。

 今季のラモス監督からは、これまでのように威勢のいいコメントを聞けそうにない。