【イタリア・ジェノバ23日(日本時間24日)発】本田が復活した。イタリア・セリエA第25節でACミランの日本代表MF本田圭佑(27)は敵地のサンプドリア戦で4試合ぶりに先発フル出場を果たし、2点に絡む活躍で2―0の勝利に貢献した。これで本田が先発した試合は最近公式戦6戦負けなしで「不敗神話」を継続。窮地に立たされていた男が逆襲への足がかりをつかんだ。

 トップ下ではなく2列目の右MFとしてピッチに立った背番号10は、右肩負傷で欠場したFWバロテッリ不在の攻撃陣を前半から自在に操った。12分に本田のパスを受けたDFラミが右クロス。これをMFターラバが一度はGKに止められながら押し込んで先制した。

 その後も本田は絶妙なスルーパスなどでチャンスを演出。後半13分には本田のショートコーナーからターラバがクロスを入れ、最後はラミが決めて2点目を奪った。積極的にシュートも放った本田のリーグ戦初ゴールはお預けとなったが、ブーイングを浴びた前節14日のボローニャ戦の途中交代の汚名を返上した。

 体調不良で8日のナポリ戦を欠場し、周囲の本田批判は高まるばかりだったが、この日の勝利で本田が先発出場した試合は5勝1分け。試合を作るという「背番号10」の最低限の責任は果たすとともに、勝ち運を持っていることも証明した。相手選手の退場で数的有利になった後半32分には激しいチャージで警告も受けたが、積極的に追加点を奪いにいこうとする闘志もよみがえった。

 ポジション争いのライバルとなっているターラバやMFポリが好調のため、本田にとって1試合だけの好結果が評価を急上昇させる材料にはならない。「どんどん批判はしてほしい。それが自分の力になる」。逆境にもめげない男は次節の大一番・首位ユベントス戦(3月2日)で真価を見せる。