超大物ストライカーの効果は絶大だ。J1C大阪に新加入したウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(34)がJリーグ開幕カードを変更させていたことが判明した。当初、C大阪は広島を相手にアウェーで開幕戦を迎えるはずだったが、南アフリカW杯の得点王&MVPのJ参戦で事態は急展開。日本中の注目を集めるため、JリーグはC大阪のホーム開催に変えたというのだ。

 Jリーグは1月21日にJ1の開幕カードを発表し、C大阪は3月1日にホームの長居スタジアムでJ1連覇の王者・広島と対戦する。NHK総合で全国中継されることも決まり、J開幕の“超目玉カード”となった。

 その開幕カード編成の舞台裏では、フォルラン加入が大きく影響していたという。Jリーグ関係者は「フォルランが日本に来るという話があったから、ああいうカードをぶつけることになった。本当は2年連続で優勝している広島のホーム開催だったんだ。なぜC大阪のホームになったのかというのも、そういうこと」と明かした。

 当初は広島のホームであるEスタで開幕戦を行う方向で調整が進められていたが、1月中旬になってC大阪のフォルラン獲りが浮上。「その時点で正式決定はしてなかったけど、Jリーグとしても賭けに出た」(同関係者)。フォルランJ初登場を見越して、注目度の高いC大阪のホーム開催に変更したというのだ。

 実際、人気回復を目指すJリーグは、C大阪に大きな期待を寄せる。中心選手には、昨年ブレークした日本代表FW柿谷曜一朗(24)を筆頭にMF山口蛍(23)、DF扇原貴宏(22)、Jリーグ新人王のFW南野拓実(19)ら実力があってルックスもいい若手ばかり。昨年から女性サポーターが練習場に大挙して訪れ、「セレ女」なる用語を生み出す現象まで起こした。

 ここにフォルランが加われば、C大阪の人気が一気に全国区となることは間違いない。Jリーグ全体の注目度も上がり、“フォルラン効果”を使わない手はないというわけだ。

 同関係者は「昨年のガンバ効果(G大阪がJ2に降格したが、J2の観客動員が増えた)のように、アウェー戦でも観客が増えることも期待できる」。フォルラン加入でC大阪はJリーグの勢力図まで書き換えてしまいそうな勢いだ。