【武田修宏の直言】かつてカズ(三浦知良=46、J2横浜FC)が道を切り開き、ヒデ(中田英寿氏=37)が地位を築いたイタリアで、本田圭佑(27)の新たな挑戦が始まっている。
ACミランのようなビッグクラブが相手だと、ゴール前を固め守備的な布陣で臨んでくるチームが多い。だけど、彼はフィジカルが強いので、屈強なDF陣との競り合いも苦にしない。もう少し慣れれば、きっと大きな成果を残せる。もちろん課題は多くあるけれど、活躍を期待しているよ。
実は、本田が石川の星稜高で全国高校サッカー選手権に出場した際、取材したことがあるんだ。非常に礼儀正しい青年で、明確なビジョンを持っていたね。物事を整理できているから、コメントも的確。受け答えもはっきりしていたし、好感を持ったね。
それから数年後、名古屋市内のカフェでお茶をしていたら、偶然にも本田と会ったんだ。その時も直立で「グランパスの本田です」と丁寧にあいさつしてくれた。当時は20歳くらいだけど、しっかり者と感じた。きちんと相手に敬意を払えるのは一流選手の証し。その後の活躍を見て「当然だろうな」と思ったね。
だから、ビッグクラブでもイレブンやスタッフに細かな気配りができるはず。まだリーグ戦では得点がないけれど、これからゴールを量産できるよ。
☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を上げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年アメリカW杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。
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