ブラジルW杯に臨む日本代表FW香川真司(24=マンチェスター・ユナイテッド)らイレブンが「お・も・て・な・し」を受ける。昨季までJ1C大阪の監督を務めたブラジル人の名将レビー・クルピ氏(60)が、母国で経営するレストランに招待する考えを明かした。「うどん」好きの香川のために、本格的な日本料理を振る舞うという。ザックジャパンには最高のサポートになりそうだ。

 クルピ氏が日本への支援を表明した。「W杯はブラジルで開催されるのだから、向こうでも会う機会があればいいね。そうだ! 私のレストランがクリチバにあるから、そこに真司や日本代表の選手を招待したいね。おいしい料理を振る舞うから、ぜひ来てほしいね」

 クルピ氏は1997年にC大阪を指揮し、その後も07~11年、12年8月から今季終了まで率いた。07年には当時18歳の香川を抜てきし、才能を開花させている。その後も若手を積極的に起用し、FW乾貴士(25=フランクフルト)、FW清武弘嗣(24=ニュルンベルク)や同FW柿谷曜一朗(24=C大阪)、同MF山口蛍(23=同)らを代表に送り込んだ。

 大の親日家として知られるクルピ氏は、C大阪時代の愛弟子たちはもちろんのこと、ブラジルで最後の戦いに挑むザックジャパンへのサポートを決意。09年から自身が母国ブラジルで経営する日本料理レストラン「AZUKI」に招き、決戦に向け英気を養ってもらいたいという。

 日本はW杯期間中、ブラジル中部のイトゥに滞在する。基本的に宿舎からの外出は禁止で、イレブンは多くの時間を敷地内で過ごす。

 そんな中でも日本代表はW杯初戦前に“外食”で決起集会を開くのが慣例。そこでC大阪出身のイレブンが揃ってクルピ氏のレストランに出向く可能性も十分にありそうだ。

「AZUKI」は和食好きな元指揮官が母国でも「おいしい日本食を食べたい」とオープンした店で、本格的な日本料理が自慢。大会前のためイレブンの体調管理を考えた特別メニューに加え、10番を背負う愛弟子が愛してやまない「うどん」も準備するという。最高のサービスが提供される模様だ。

 イレブンにとっては貴重な充電期間となりそうだが、一方でクルピ氏はブラジルでW杯を勝ち抜くアドバイスも伝授する考えだ。「ブラジルでの試合は他の国と異なり、いろいろな難しさがある。例えばピッチの状態はその土地の環境にもよるが、タフなものになる。日本のパスサッカーをどう展開するかなど、考えるべきことも多いと思う」

 またブラジルでも名将として知られる指導者だけに、地元人脈をフル活用しての様々な情報も入手が可能。さらにイレブンだけではなく、アルベルト・ザッケローニ監督(60)と意見交換することで、悲願のベスト8進出への大きなヒントも得られるだろう。

 クルピ氏はブラジルW杯に向け「真司には頑張ってほしいね」と10番をキーマンに指名。ほかにもC大阪時代の愛弟子のため全面バックアップを誓っており、ザックジャパンは最高の「お・も・て・な・し」を受け、決戦への準備を整えることになりそうだ。