サンシーロに轟いた「HONDA!」コール

2014年01月17日 08時00分

【イタリア・ミラノ発】本田が本拠地デビュー戦で新たな歴史を刻んだ。日本代表MF本田圭佑(27)は15日(日本時間16日)、ホームで行われたイタリア杯5回戦・スペツィア戦で先発出場し、後半2分に待望の移籍後初ゴールを決めた。攻守にわたり存在感を発揮し、後半19分までプレー。3―1の勝利に貢献した。クラレンス・セードルフ新監督(37)がスタンドから見守る中、「新エース」就任への猛アピールに成功した。

 気温4度、湿度93%。白いモヤがかかる本拠地ジュゼッペ・メアッツァ(通称サンシーロ)で、ついに本田が歓喜の瞬間を迎えた。2―0で迎えた後半2分、左からMFモントリーボがミドルシュート。相手GKが横っ飛びで左にはじいたところに詰めたのが「背番号10」だった。どこにボールがこぼれてくるかを察知していたかのようなポジショニングから、フリーで“悪魔の左足”を振り抜いた。

 鮮やかにゴールネットを揺らし、試合を決める3点目。待望の本田の初ゴールに、チームメートが次々と祝福に訪れ、歓喜の輪ができた。スタジアムDJの掛け声に反応したミランサポーターの「HONDA!」のコールも3度、サンシーロにこだました。だが、当の本田は「当然」といった表情で喜びを爆発させることなく、静かに笑みを浮かべるだけだった。

 その後も本田は好プレーを連発。後半10分にはショートコーナーから体をターンして浮き球のシュートを放つが、これはゴールバーの上を越えた。後半19分にベンチに下がったが、まだまだ本田の雄姿が見たいミランサポーターからは、ブーイングが起こったほど。本田はあっという間にミラニスタの心をつかんだ。

 12日のリーグ戦・サッスオロ戦の後半20分から出場した本田にとって、この日がホームデビュー戦。しかも先発の大役が回ってきた。エースのFWバロテッリが出場停止で、チームの中心のFWカカはベンチスタート。それでも本田は冷静だった。ポジションは4―3―2―1の布陣の2列目の右。最大限に力を発揮できる仕事場を与えられた。

 序盤はスペツィアの堅守速攻に苦しめられ、得点機がつかめなかった。本田も両手を挙げてアピールしてもなかなかパスが回ってこず、いら立ちが募るばかり。前半18分には相手のシャツをつかみ、移籍後初のイエローカードをもらう場面もあった。

 それでも前半22分には本田が柔らかなタッチのFKで前線にボールを供給。FWパッツィーニのシュートは惜しくもゴールにつながらなかったが、これを皮切りにミランはペースをつかんだ。同28分にFWロビーニョのダイビングヘッドで先制すると、同31分には本田とロビーニョが中央でリズムを作り、最後はパッツィーニが追加点。このリズムが後半開始直後の本田のゴールを呼び込んだ。

 チームは3―1で快勝。22日(日本時間23日)のウディネーゼとの準々決勝に駒を進めた。試合後、最初に取材エリアに姿を見せた本田は無言で通り抜けたが、かん口令が敷かれて全員が無言だったサッスオロ戦後とは明らかに違う雰囲気だった。スタンドで見守ったセードルフ新監督に向けてもアピールに成功。デビュー2戦目で早くも結果を残した本田が、チーム再建に向けて本格的に動き出した。