4冠INAC主力流出でなでしこ戦国時代へ

2014年01月17日 11時00分

昨季4冠を達成したINAC神戸(写真は国際女子サッカー選手権)

 女王の牙城は崩れるのか。昨季、日本の女子サッカーはINAC神戸が4冠(なでしこリーグ、リーグ杯、皇后杯、国際女子サッカー選手権)を独占して強さを見せつけたが、今季は大幅な戦力ダウン必至の状況。なでしこリーグの勢力図が大きく変わりそうだ。

 

 2季前は無敗でリーグ制覇し、皇后杯との2冠を達成。昨季はリーグ戦で3年ぶりの黒星を喫したものの、圧倒的な強さでタイトルを総なめにした。女子サッカー界の第一人者のMF澤穂希(35)を筆頭になでしこジャパンの有力選手が多数在籍し、日本女子サッカー界はINACの“1強”状態が続いている。

 

 だが、今季の陣容は少々心もとない。チームの心臓と言われた韓国代表MF池笑然(チ・ソヨン=22)が退団を発表。イングランドのチェルシー移籍が有力視されている。また、昨季の主将でリーグMVPに輝いたなでしこジャパンFW川澄奈穂美(28)も米国移籍が濃厚。4冠の功労者が一気に2人も抜ける可能性が高まっている。

 

 ただでさえ、昨季前にはなでしこジャパンMF田中明日菜(25)がドイツ1部フランクフルトに移籍。FW大野忍(29)もフランスの強豪リヨンへ移籍したことで戦力は落ちた。皇后杯決勝では新潟にPK戦にまで持ち込まれ、日本協会の大仁邦弥会長(69)に「INAC神戸の独り勝ち状態が薄まり、面白くなってきた」と言われるほどだ。

 

 戦力として期待されたMF田中陽子(20)やFW京川舞(20)、FW道上彩花(19)は伸び悩み。頼みの澤も今年で36歳の年女。故障がちでもあり、スピード負けするシーンも目立ってきた。ライバルチームの監督たちからは「倒せない相手ではなくなった」との声も出ている。

 

 石原孝尚監督(36)は「我々は目の前の試合を一戦一戦勝っていくだけ」と基本スタンスを変えるつもりはない。女王の独走は続くのか、それとも“なでしこ戦国時代”に突入するのか――。