日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(60)は合同インタビューに応じ、6月のブラジルW杯に向けた抱負を語った。気になる最終メンバー選考について、昨季のJリーグMVPのMF中村俊輔(35=横浜M)とJ1得点王のFW大久保嘉人(31=川崎)の2人が、63人の代表候補リストに入っていることを示唆した。

 ——W杯イヤーを迎えた心境は

 ザッケローニ監督:ポジティブな心境でいる。チーム力、チームとしてのパーソナリティー、プレーの組織力が急激に成長したと実感している。フィジカル、メンタルが100%の状態で試合に臨めれば、世界のトップ10と引き分けられる可能性はあるし、時には勝てる可能性もあると思う。ただし60%しか出せない試合では、引き分けや勝ちに持ち込めるチームにはなれていない。だから(W杯までの)6か月の目標は、いかにチームを100%の状態で本番にぶつけられるかというところに懸かってくる。

 ——最終選考で新しい選手が入るのは難しそうだが、どれくらい入れ替わる可能性があるのか

 ザッケローニ監督:63人の代表候補選手がいて、ここから6か月の間に非常にいいパフォーマンスを見せ、いい状態の選手がいると当然リストにも入ってくる。また、この3年間で代表チームに貢献したメンバーで、最近は呼ばれていないメンバーもいる。当然忘れているわけではなくて、いい状態に戻ってくるようであれば復帰する可能性はある。移動距離も長いし、非常に暑く湿気があるところで(試合を)やるから、コンディションのいい選手が必要だ。

 ——63人の基準は

 ザッケローニ監督:単純に自分から見て、W杯に来て活躍できる力を持った選手が63人いる。呼んだことのないメンバーも入っている。JリーグMVP(俊輔)と得点王(大久保)の名前? メンバーは明かしませんけど、おそらく入っているんじゃないか(笑い)。活躍しているメンバーは名を連ねているので。

 ——以前(ベテランの)スキラッチ選手が1990年イタリアW杯直前でイタリア代表に呼ばれて活躍した例を話していた。そういう選手が入ることによるチームへの影響は

 ザッケローニ監督:イタリアではスキラッチの例もある。新しい選手を呼んだほうがいいですか?

 ——過去の日本代表では、合宿地でメンバーを絞ったり(2010年南アフリカW杯の香川真司のように)サポートメンバーを連れて行ったりした

 ザッケローニ監督:イタリア代表を中心に見てきたので、基本的な考え方としては23人で行く。同時に日本のW杯での経験もある。若いメンバーを連れていくことは将来性にもつながるので、検討していきたい。