元なでしこ・大野忍氏「選手の脳みそ解剖したいわ!(怒)」リーグ戦を一刀両断

2020年08月05日 12時10分

【左】なでしこリーグへの不満を隠さない大野氏【右】開幕戦辛勝の日テレには強さを感じない

【なでしこリーグ歴代最多182点 大野忍ひとりごと】新型コロナウイルスの影響で延期されていたなでしこリーグも先月中旬に開幕し、2日までに3節が終了した。難しい状況下での開催とはいえ、フタを開けてみると予想外の結果が続出。昨季までの勢力図にも異変が生じている。厳しい目線でチェックすると予告していた元なでしこジャパンFWで本紙評論家の大野忍氏(36)は、物足りないプレーの連続に怒り心頭。低調な内容が続く女王や期待のストライカーを一刀両断した。


 先月18日になでしこリーグも今季の開幕戦を迎えました。新型コロナウイルスの影響でさまざまな制限がある中で、選手たちは懸命のプレーを見せてくれています。試合運営に関わるスタッフにも頭が下がる思いですし、何よりここまで一人もウイルス感染者がいないというのは素晴らしいこと。OGとして大変誇らしいです。

 ただし、プレーの中身という話となると、言いたいことが多すぎて…。とにかくハッキリ言いたいのは「みんな、本当に責任感持ってやってるの?」ということ。そのくらい、物足りないプレーの連続なんです。あきれているというか、怒ってます。

 1日に行われた古巣のノジマステラ神奈川相模原と仙台の試合を見ましたが、内容にはがっかり。「選手が何を考えてプレーしているのか、脳みその中身を見てみたい」とまで思いました。

 今の若手は「うまい選手」が多いけど、それはボールを扱うのがうまいだけで、決して「サッカーがうまい」わけではないと思っています。素晴らしいパスは出せるけど、出しっぱなしでその後のフォローをしない。ボールのないところで存在感を出せる選手がいないのが、私が感じる「つまらなさ」につながっているのかな。

 ノジマと仙台は昨季7、8位のチームで1部残留を争ったチームです。その2チームはそれぞれ開幕戦、第2節で5連覇中の日テレ・東京ヴェルディベレーザと対戦しましたが、結果は日テレが1―0、2―0の辛勝。本来なら大量点で圧勝するような実力差なのに、それができない。正直、今季のベレーザはヤバいかも、と思っていたら、2日の第3節で浦和に0―1で負けました。

 GKが不用意に蹴ったグラウンダーのゴールキックをカットされ、その流れで失点。このシーンもひどかったけど、ミスがあっても、それに怒る選手もいない。それが非常に無責任に見えるんです。この辺の意識が変わらないと、6連覇は難しいでしょうね。

 日テレが不調なのは、昨季まで4季連続得点王だったFW田中美南選手(26)がINAC神戸に移籍したことと無関係ではないでしょう。その大エースは新天地で開幕から2戦連続ゴールと実力を見せました。とはいえ、相手はともに昇格組の伊賀と愛媛。本来ならこのレベルを圧倒できないあたり、INAC神戸も問題が多いと思います。

 私が期待しているFW岩渕真奈選手(27)は3節の千葉戦で今季初ゴールを決めましたが、その前の2試合は田中選手へのパス出しに専念していた感じでした。私としてはこれが本当に納得いかない。すぐに「あんた、それで満足するなよ」とメールしましたよ。

 私も現役時代、一時的にパス出しのほうが面白くなってしまった時がありました。でも、澤(穂希)さんとかにすごく怒られた。「点を取りにいかないシノなんて全然怖くない」って。岩渕選手はなでしこジャパンのエースでもあるわけですから、常にゴールを目指すスタイルを貫いてほしいんです。

 今のなでしこリーグは魅力的に映らないし、これだったらまだ私でもプレーできると思っちゃう。私の引退が正解だったと思わせるような試合を見せてもらいたいです。