香川の前で「マンU」は禁句?

2013年09月05日 16時00分

険しい表情で練習に取り組む香川(右下から2人目)。左はザッケローニ監督

 キリンチャレンジカップのグアテマラ戦(6日、大阪・長居)に臨むザックジャパンに、日本代表FW香川真司(24=マンチェスター・ユナイテッド)が合流した。クラブでは今季ここまで出場機会がないが、マンUはベルギー代表MFマルアン・フェライニ(25)の獲得を発表。新たなライバル登場で日本の10番はさらなる窮地に追い込まれており、代表イレブンは緊張を高めている。

 

 フェライニは昨季までエバートンを率いたデービッド・モイズ監督(50)の愛弟子。香川と同じ攻撃的MFで実績、国際経験ともに豊富な選手だ。移籍金も2750万ポンド(約43億円)と高額で、指揮官の強い要望から補強が実現した。

 

 香川は今季の英プレミアリーグで出番がなく、1日のリバプール戦ではベンチ外と崖っ縁の状況にある。そこに強力なライバルがまた1人加入。ますますマンUでの居場所がなくなりつつある。

 

 日本の10番が苦境に立たされていることは代表イレブンも察している。7月の東アジアカップ(韓国)から抜てきされたある選手は「香川? クラブのこととかは、いろいろあるし聞ける状況じゃないですよ…」とポツリ。マンUに関する話題に触れられないという。

 

 香川は移籍後「マンUでの経験を、日本代表にも還元したい。それも自分の役目」と話し、世界各国から集まるスター選手との交流や名門クラブならではのしきたりを積極的に伝えてきた。それが、現状の香川からクラブの話題を聞くのは“タブー”という雰囲気がチーム内に漂っている。

 

 デリケートな話題はしないのが代表では“暗黙のルール”。かつて元日本代表10番のMF中村俊輔(35=横浜M)が移籍問題の最中に代表へ参加したが、某選手は「どうなるんですか?」と直球を投げ込んだ。これに対して温厚な俊輔が怒鳴ったという話が伝えられている。そんな過去の例もあって、イレブンは香川を気遣っているのだ。

 

 香川本人は「開幕から(試合に)出ていないけど、やることは変わらない。新監督のもとでアピールするだけ。帰ってから弾みをつけられるように良いプレーを見せたい。フェライニ獲得? それは(強豪クラブでは)当たり前のことなんで。やりがいがある」と強がるが、エースの苦境はザックジャパンに大きな影響を与えかねない。まずは次の代表戦で不安を一掃するようなプレーを見せ、チーム内から“禁句”を取り除いてほしいものだが…。