新型コロナウイルスに感染して療養中の日本サッカー協会の田嶋幸三会長(62)が“現場復帰”を果たした。

 29日にウェブ会議形式で行われた理事会に入院先から参加。会議終了後にウェブ上で報道対応した須原清貴専務理事(53)は田嶋会長の現状について「順調に治療が進み、順調に回復している。容体は非常に良く、ウェブで参加してライブで顔を見せ、皆さんに話をして理事会のメンバーも喜んでいた」と説明した。

 田嶋会長は日本国内の著名人で最初に新型コロナウイルス感染が明らかになり、各界から病状を心配する声が寄せられていた。普段から田嶋会長と接していた須原専務理事も保健所の指導により「昨日まで自宅待機だった。皆様から『須原は大丈夫なのか』とご心配いただいた」と在宅勤務だったが、この日から復帰。「おかげさまでピンピンしているので、早く皆様と同じ部屋でお話しできることを心待ちにしている」と力強く語った。

 幸いにも現時点では懸念された日本サッカー界での感染拡大にはつながっておらず、田嶋会長もこのまま順調に回復すれば、公の場への早期復帰も期待できる。須原専務理事は「どのような形で、いつのタイミングでできるかを我々の方で検討する」と言い、今後トップ自らの言葉で現状の説明を行う場が設けられることになりそうだ。

 その田嶋会長は、感染爆発の危険性が高まる現状を受けて「若い世代の皆様には、この大事な時期に外出したい気持ち、サッカーしたい気持ち、体を動かしたい気持ちを抑え、ここは我慢して、新型コロナウイルスという目に見えない敵と戦っていきましょう」と協会広報を通じて呼びかけた。“当事者”からの切なる声が感染抑止の一助となるか。