元なでしこ・大野忍が引退 同志不在で現役続行の意欲失う

2020年02月13日 16時40分

引退会見を行う大野

 2011年ドイツ女子W杯優勝、12年ロンドン五輪銀メダルなど数々の金字塔を打ち立てた元なでしこジャパンFW大野忍(36)にとって、やはり大事だったのは「人とのつながり」だ。

 昨年限りで所属のノジマステラ神奈川相模原との契約を満了し、今月5日に引退を発表。引退会見(12日)では現役時代の天真らんまんさ全開で「昼間からお酒を飲んじゃって、好きなものをバクバク食べちゃってる」。最近の自堕落(?)な生活を公表したかと思えば、なでしこジャパンで軽妙なやりとりで話題になった、当時の監督の佐々木則夫氏(61)に連絡を入れたことにも触れ「遅くなってしまいましたが、電話番号知らなかったんです、というわかりやすいウソをついて。それと、今後ノリさんのサッカー教室のお手伝いをさせてくださいとゴマをすっておきました」と相変わらずの関係をアピールして周囲を笑わせた。

 大野のモットーは「苦しい時こそ笑おう」。なでしこではムードメーカーとして盛り上げたが、その背景にあったのは「とにかく仲間に対しての意識が強かった。この仲間だからこそ(タイトルを)取れるというのはあった」。今回、引退を決断した大きな理由も「一緒にやりたい仲間がいなくなってしまった」からだった。

 尊敬する澤穂希さん(41)が15年末に引退し、盟友の宮間あや(35)も3年前に第一線を離れて事実上の引退状態。2トップとしてコンビを組んだ永里優季(32)も米国でプレーしているが、なでしこジャパン復帰の目はほぼなく、“同志”の不在が現役続行の意欲を失わせた。

 3月26日に日本国内で始まる東京五輪聖火リレーの第一走者として、大野はなでしこジャパンVメンバーの一員として走る。「名誉なことなのでしっかりやりたい。そこでもう一度、なでしこはすごいんだとアピールしたい。本番に選ばれるメンバーは胸を張って臨んでほしい」。日本最強ストライカーはなでしこの復活を願ってやまない。