なでしこの強化プランは正解

2012年06月17日 12時00分

【INAC神戸・星川監督のリアル星論】ロンドン五輪で金メダルを狙うなでしこジャパンは15日から始まる欧州遠征(スウェーデン)で最大のライバルとなる米国と今季3度目の対戦をする。また五輪決勝トーナメントで対戦するであろうフランスとは本大会直前の7月に対戦する。

 周囲からはなでしこジャパンのマッチメークや五輪までの強化プランに否定的な見解も聞かれるが、私は非常に良い強化プランと考える。

 本来であれば試合をすることで自分たちの弱みや強みをさらけ出し、敵国に分析データを与えてしまうため、本大会の対戦国と親善試合をするのは一般的に避ける傾向がある。ただ日本はあえて米国との対戦を多く重ねることで、選手たちの苦手意識を薄め、本番でも余裕を持たそうと考えているのだろう。

 現在のなでしこジャパンはW杯からメンバーの大きな変更はなく、継続してパスサッカーを追求し精度を高める。選手たちも経験を積み、成熟した。だから米国が本番で急に戦術を変え、対策を施してきても、日本は慌てふためかないし、自分たちのスタイルを変える必要もない。こうした条件があるからこそ可能となる戦略と言える。

 またフランスと対戦することも同様。最近はなでしこジャパンと対戦がない中、急激に力をつけた国で未知数な部分もある。そこで実際に対戦して相手を知ることでイレブンのイメージも膨らむ。これは沢や大野(忍)ら経験者が多いためマイナス面よりもメリットの比重が高くなるからだ。
 世界チャンピオンとして臨むロンドン五輪。現在のなでしこジャパンの実力と経験があって初めて有効な戦略と言える。

(INAC神戸監督)