本田も頭が上がらない豊田陽平という男

2013年07月18日 16時00分

 東アジアカップ(20日開幕、韓国)に臨む日本代表に初選出されたFW豊田陽平(28=鳥栖)がザックジャパンをパワーアップさせる。恩師の星稜高(石川)サッカー部・河崎護監督(53)が、豊田は日本のエースMF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)の能力をさらに引き出し、ピッチ外でもエースの“お目付け役”になれると指摘したのだ。日本のためにも、豊田は何としてもサバイバルレースを勝ち抜くしかない。

 

 2008年北京五輪世代で「最後の大物」といわれた豊田は、185センチの長身を武器に今季のリーグ戦で16試合11得点の活躍。アルベルト・ザッケローニ監督(60)も日本の“弱点”である高さを克服するため、大きな期待を寄せて代表に呼んだ。

 

 恩師の河崎監督は「トヨ(豊田)の能力からすれば(代表は)遅すぎたくらい。あの高さと強さがあれば、チーム戦術にも広がりが出るはず」と指摘。強靱なフィジカルを持つ豊田の加入で、ザックジャパンはパワーアップするという。

 

 実際に、豊田は屈強な外国人が相手でもボールキープが可能。エース本田以外にも攻撃の起点をつくれる。となればFW香川真司(24=マンチェスター・ユナイテッド)がドリブルで仕掛け、FW岡崎慎司(27=マインツ)が2列目から飛び出す回数も倍増。得点機会は増える。

 

 さらに河崎監督は「圭佑とトヨが同じピッチに立てば、お互いにとってプラスになる。2人とも体が強いからどちらかがマークを引きつければ、どちらかがフリーになる確率が高くなる」。本田が“ゴールハンター”に専念できるなど、戦術的な相乗効果は大きいと見ている。

 

 日本代表のチーム力を高める貴重な存在。ただ、河崎監督によれば、豊田はピッチ外でも活躍が期待できるという。どういうことか。

 

「圭佑は昔からトヨには頭が上がらない。それを考えれば、圭佑が少し先走っていたとしても、トヨは『何やってんだ』と言って止められる存在になる。圭佑はトヨの言うことはよく聞くから」

 

 02年4月に星稜高サッカー部に入部した本田は一つ年上の豊田を見て「この先輩にはかなわない」と漏らしたという。パワー、ジャンプ力、フィジカルの強さなど差は歴然で、河崎監督は「結局トヨが卒業するまでの2年間で圭佑が『勝った』と思った瞬間はなかったんじゃないかな」とも明かす。

 

 日本代表のエースとして君臨する本田だが、基本的に上下関係を重んじる。もちろん、豊田への尊敬の念は変わっていない。一方で何につけても行動が派手なうえ、その発言が物議を醸すこともある。そこで豊田が本田の“お目付け役”としていれば、本田も精神的に安定するというわけだ。

 

 今大会に本田は参戦しないだけに、まずはブラジルW杯に向け豊田がサバイバルを制することが肝心。豊田が生き残れば、ザックジャパンはピッチ内外で再強化されるはずだ。

 

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