〝戦犯〟香川 背番号10剥奪の危機

2012年03月04日 14時00分

 日本代表MF香川真司(22=ドルトムント)が「10番」失格となった。日本代表はブラジルW杯アジア3次予選ウズベキスタン戦(29日、愛知・豊田スタジアム)で0―1と屈辱の敗戦。中でも批判が集中したのが、トップ下に入った香川だ。イレブンはもちろんアルベルト・ザッケローニ監督(58)も苦言を呈し、栄光の背番号10の剥奪危機に立たされた。

 屈辱的な敗戦だ。W杯予選で日本がホームで敗れたのは1997年9月の韓国戦(1―2)以来、15年ぶり。しかもウズベキスタンは主力5人が出場停止で、五輪予選を控えるU―23世代がメンバーの大半を占める〝二軍〟だった。日本サッカー協会の小倉純二会長(73)が「勝てると思っていたので残念。これがいい薬になればいい」と渋い表情で語った赤っ恥の敗戦だった。中でも、期待を大きく裏切ったのは栄光の「10番」を背負う香川だ。念願のトップ下で攻撃をけん引するはずが、大ブレーキとなったのだ。

 香川も「このポジションに入ったからにはスピードを上げてリズムを作ることが大事なのに連係がうまくいかなかった。トップ下はまたやるつもりだけど、そのためにはもっとやるべきことが多い。フィジカルもメンタルも両方ダメだった」と反省しきり。

 しかも今回は本来トップ下を務めるMF本田圭佑(25=CSKAモスクワ)が不在で〝エースポジション〟を奪うには絶好のチャンスだった。香川は昨年も敵地ウズベキスタン戦でトップ下を務めたものの、結果を出せなかった。2度目の挑戦も失敗したことで悔しさをにじませた。

 だが背番号10は日本のエースの代名詞だけに、チームメートも容赦しない。MF遠藤保仁(32=G大阪)は「真司が中にいたので、前を向いてボールをもらえるようにパスを合わせた。(ただ)なかなかいい場面がなかった。もっと前に出ていかないと。これを見て直していかないとね」とバッサリ。

 香川を追加招集したザッケローニ監督も辛らつだ。「本田がいないこともあり(香川をトップ下で)使った。香川が前を向けばチャンスになると思っていたので、それが(起用の)意図だった。バイタルエリアで前を向き、もう少し迫力を持っていなくてはいけないし、ミドルシュートというチョイスへの意識も希薄だった」

 日本代表で長く10番を背負ったMF中村俊輔(32=横浜M)は以前から「試合を勝たせるのが10番の仕事」と責任の重さを語っている。今回の香川では「10番」失格と言われても仕方がない…というわけだ。

 6月からのW杯アジア最終予選からは、いよいよ本田が復帰する。ドルトムントではトップ下で活躍する香川だが、日本代表では思うようなプレーができないことで、本田にその座を明け渡すことになる。さらに本田はかねて「10番」を背負うことを希望しており、エースナンバーさえ失いかねない状況だ。

 香川の失態は日本代表にとっても誤算。ブラジルW杯アジア最終予選に向け、課題を突きつけられた。