勝利を願うザックの「チンチン」儀式

2013年06月12日 16時00分

 カルチョの国から来た名将はどんな“魔法”をかけたのか。日本代表をW杯出場に導いたザッケローニ監督の流儀を徹底解剖。全3回の緊急連載で解き明かす。第1回はザック流“勝利の儀式”についてだ。

ザッケローニ 成功を生んだ仕事スタイル(1)

 普段ナーバスになることが少ない指揮官は、試合が近づくほどに緊張感を消していく。代表スタッフは「日本人監督なら試合前になるとピリピリして周囲を怒鳴り散らすこともあるが、ザッケローニ監督はしない。逆に選手やスタッフと笑顔で話す。本当はナーバスなんだけど、一切顔には出さない」。

 

 ザッケローニ監督はイレブンに試合で十分な力を発揮させるため、神経質な姿を見せないようにしている。「試合に向け何が必要かをよく考えている。選手に合わせて話し方も変えているし、表情ひとつで選手が何を考えているかもわかる。さすが一流監督だね」(同スタッフ)

 

 日本代表戦の前夜、食事会場でイレブンがそれぞれ自室に戻ると、指揮官はスタッフを集め「そんなにナーバスになるな」と、自らが持ち込んだ赤ワインをスタッフ全員のグラスに注ぐ。「準備はすべてやった。選手を信じよう」と勝利を願い「チンチン」(イタリア語で乾杯の意味)と言うのがルーチンとなっているという。

 

 また指揮官はスタジアム入りしてから試合までの間に、試合のシミュレーションを行う。

 

 監督に毎回付き添うスタッフによれば「コーチ陣は試合の準備で忙しいから…。その日の試合展開や状況に応じた対応策を確認している。毎試合必ずやることなので、試合前に監督の近くにいないと言われる(怒られる)」。