【ACL】凱旋ゴールの本田圭祐「オレ様節」全開の計算

2019年03月14日 11時00分

凱旋ゴールとなる同点弾を決める本田(手前)

 炸裂したオレ様節の裏にある思惑とは――。サッカーアジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグF組のメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)に所属する元日本代表MF本田圭佑(32)は12日、J1広島戦にフル出場し凱旋ゴールを決めた。試合は1―2で敗れたものの、Jリーグへの緊急提言をブチ上げるなどビッグマウス全開。全ては、この日で開幕まで500日となった2020年東京五輪に出場するため、計算ずくの行動だ。

 日本代表として戦った昨年5月のガーナ戦以来の“日本凱旋”では、0―1で迎えた後半26分にスライディングシュートで同点弾を決めた。千両役者は「大事な場面だったので、ゴールに結びつけられてよかった」。試合には敗れたが、ACL初ゴールをマークする活躍で日本のファンに“持っている”ところを見せつけた。

 この日は“本田節”も復活。名古屋でプレーした2007年以来の日本クラブとの対戦で、Jリーグに強烈な提言をぶちかまし「最近は(MFアンドレス)イニエスタ(34)が来たんで、ヴィッセル(神戸)の試合を見るけど、俺がいた時から変わっていない印象。相手の嫌なことをする守備とか、戦術的に成熟していない印象が強い」と切り捨てた。

 さらに「(神戸の)三木谷(浩史会長=54)さんがJリーグにありがたい動きをしてくれているけど、日本(選手)がドイツみたいに移籍しないで、自国でやっていてもW杯優勝を目指すには時間がかかる」「ずっと海外に行けと言っている。まだ若手がJリーグに居座るのは早い。海外で経験を積んだほうが選手としては伸びる」と持論を展開した。

 さらには経営者の目線で日本サッカーに緊急提案。「スタジアムが満員じゃないのは違和感があった」とし「(プロ野球の広島)カープが人気あると聞くし、野球ファンがサッカーを応援してはいけないというルールはない。サンフレッチェも、マーケティングのやり方としては、いかにカープファンを巻き込むか」と苦言を呈した。

 ピッチ内外で存在感を示したが、それは東京五輪を意識しているからこそだ。A代表と兼務で五輪代表を率いる森保一監督(50)は「今、特にヤンチャな選手の良さを見ていくのはすごく大切だと思う。周りと衝突しないに越したことはないけど“オレの武器はこれだ”というので戦って、素晴らしいものができていく」と、新たな代表戦士を求めている。

 本田の武器はなんといってもビッグマウス。超強気な姿勢を支える強靱なメンタルが、大舞台での勝負強さを引き出してきた。東京五輪を戦う世代は比較的おとなしい選手が多く、自己主張も少ない。それだけに24歳以上のオーバーエージ枠(OA)で五輪メンバー入りすれば、控えめな若手を鼓舞するとともに、大黒柱として日本をけん引したりと、本田の特長がより生かせる。

 久しぶりに凱旋した日本の地で自らの長所を森保監督らにアピール。全ては悲願の東京五輪出場への“布石”と言えるだろう。「もうノンストップっすね。ケガなくやれれば、絶対に(五輪に)出られると思っている」と言い切った上で「出るだけじゃなくて、メダルを取りにいけるプロジェクトで動いているので」ときっぱり。東京五輪出場へ自信をみなぎらせた背番号4は、サッカー男子にとって52年ぶりのメダル獲得も見据えた。果たして思惑通りになるのか。五輪開幕まで残り500日、注目が集まる。