神戸・ビジャ 初ゴールの裏にあの大物の気配りが

2019年03月04日 16時30分

 世界的スターがJ初ゴールを決めた裏に“あの男”あり――。今季からJ1神戸に加入した元スペイン代表FWダビド・ビジャ(37)が、2日の鳥栖戦で来日初ゴールを決めて1―0の勝利に導いたことは大きな反響を呼んだ。環境の違いに苦労する助っ人が多い中、すぐに結果を出せたのは、一体なぜなのか。ビジャの活躍がもたらすチームへのプラス材料を含め、ホーム開幕戦の“ヴィッセル狂騒曲”に迫った。

 1トップで先発したビジャは後半9分に先制ゴールを奪い、これが決勝点となった。30万円のVIP席も完売し、満員御礼の2万5172人が詰めかけたホーム開幕戦で、チームを勝利に導く千両役者ぶりを発揮。「自分の仕事はゴールを決めること。それを毎試合続けていくだけだ」とかつてのスペイン代表のエースはクールに振り返った。

「いい感じで適応できている。本当に気持ち良くのびのびプレーできた」とすっかり神戸の一員としてチームになじんでいることが結果につながったが、助っ人が活躍しやすい環境づくりに力を注いでいるのが元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)だ。

「ルーカスがみんなに声をかけてくれている。パフォーマンス的なプレーも多いけど、それもチームを考えてのこと。他の選手のことも本当によく考えてくれているし、率先して声をかけようという意識がある。キャプテンシーをよく見せてくれている」とDF渡部博文(31)は背番号10の献身ぶりを明かす。

 現在の神戸による“超大物路線”の先陣を切ったのが2017年7月に加入したポドルスキ。今季はJリーグで3季目を迎え、さらに責任感も増して周囲への気配りを欠かさずチームをけん引している。自らは来日後に日本人の友人を積極的につくって食事に出かけることも多く、日本の文化を理解しながら新天地に順応。そうした経験も生かして、ビジャにもアドバイスを送っている。ビジャは2月22日のC大阪戦後に東京観光を満喫する様子を自身のSNS上に載せていたが、それも日本で成功する“ポルディ流”を実践しているようだ。

 超大物がさっそく本領を発揮したことで、神戸にはさらなる相乗効果が期待できる。

 スペイン紙「アス」が「ビジャが自らの力を証明した。驚異的な仕事を続けている」、「マルカ」紙も「ビジャがトーレスとの点取り屋対決を制する」などと大々的に報道。ポドルスキ、MFアンドレス・イニエスタ(34)、そしてビジャと大物助っ人が次々に活躍することで世界中から神戸への注目度がアップしている。

 すでに親会社・楽天の三木谷浩史会長(53)は次の補強として、バルセロナMFセルジ・サンペール(24)の獲得交渉を進め、「マルカ」紙によればクラブ間で合意に達しているという。こうした交渉がスムーズにいくのは豊富な資金力もさることながら、外国人選手が結果を出しやすいクラブという話が海外に伝わっているからだ。

 助っ人大物外国人選手が、新たな助っ人の活躍を後押しするという好循環。神戸にとってビジャのゴールは今季のリーグ戦だけでなく、世界と肩を並べるビッグクラブ化に向けて価値ある一発となりそうだ。