森保ジャパンが“負の遺産”に苦しみそうだ。3月の国際親善試合でコロンビア(22日、日産)、ボリビア(26日、ノエスタ)と対戦する日本代表は、南米選手権(6月、ブラジル)や今秋スタート予定のカタールW杯アジア予選に向けた重要な強化にしたいところだが、状態に不安のある選手が続出。準優勝したアジアカップ(UAE)の激闘が大きく影を落としている。

 森保ジャパンは次戦で国際サッカー連盟(FIFA)ランキング12位の強豪コロンビアと対戦する。昨夏のロシアW杯1次リーグ初戦でも熱戦を繰り広げた相手で、現チームの実力を測る意味でも重要な試合だ。

 しかし強化を図ろうにも肝心の選手が揃いそうにない。準優勝したアジアカップの影響が尾を引いているからだ。日本代表キャプテンのDF吉田麻也(30=サウサンプトン)は、英紙「デーリー・エコー」に「代表チームで1か月の間チームを離れれば、自分のポジションを失うことになると分かっていた」とコメントした。

 吉田はアジアカップ前までクラブのレギュラーに定着していた。しかし約1か月間に及んだアジア杯を終えてクラブに戻ると、ベンチメンバーに“降格”。2月27日(日本時間28日)のフラム戦でようやくスタメン復帰し、2―0の完封勝利に貢献したものの、森保ジャパンとして戦った反動を受けてしまった。

 大陸選手権の期間中も欧州各国リーグ戦は中断しないため、チーム内で再び定位置を確保するのは困難。また故障はもちろん、連戦の疲労蓄積による体調不良などで起用を見送られるケースも出てくる。吉田は「代表チームのみんなが、国のためにプレーすることにリスクを負っている。(所属クラブに)帰ってきたときに、こういう(試合に出られない)ことは起こり得る」と語ったが、その不安が今、森保ジャパンを直撃しているのだ。

 吉田以外にも、アジアカップを戦ったFW武藤嘉紀(26=ニューカッスル)は3試合連続でベンチ外。大会前から出場機会を失っていたMF柴崎岳(26=ヘタフェ)はクラブ合流後に構想外とも言える状況に追い込まれている。また、FW大迫勇也(28=ブレーメン)が大会中に背筋痛を負って戦線離脱。左太もも裏を痛めたMF遠藤航(26=シントトロイデン)も同様にプレーに復帰できていない。

 いずれも森保ジャパンの中核を担う面々。当然ながら戦力となるメンバーが不完全な状態であれば3月の2連戦に向けて影響は少なくない。森保一監督(50)は「まずは3月の招集に向けて選手やクラブとコミュニケーションをとれれば」とし、欧州視察を行っているが、これからアジアカップの“後遺症”に頭を悩ませそうだ。