槙野智章 「J1優勝」「ACL制覇」「代表生き残り」へ31歳の独占激白

2019年03月01日 11時00分

現状についてアツく本音を語った槙野(ロイター)

 Jリーグが先週末に開幕した。今季も各地で熱戦が繰り広げられるが、ピッチ内外で活躍を期待されるのがJ1浦和の日本代表DF槙野智章(31)だ。本紙の直撃に応じた“Jの顔”は、森保ジャパンの一員として臨んだアジアカップ(カタール)から代表サバイバル、2年ぶりのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇、さらにはあの“バトル”についても思いを激白した。

 ――アジアカップは準優勝。悔しい結果だった

 槙野:優勝はできなかったけど、一試合一試合みんながまとまっていったし、アジアでの日本の立ち位置と日本代表に足りないものを感じた大会だった。

 ――ベテランとしてチームのまとめ役も

 槙野:楽しむところと締めるところのバランスを、よく(DF)長友(佑都=32、ガラタサライ)と話をしていた。食事のときとか若い選手を呼んでいろいろな話ができて、僕らも彼らから吸収できた。(DF)冨安(健洋=20、シントトロイデン)や(MF)堂安(律=20、フローニンゲン)は「緊張しない」と普通に言っていた。最初、僕らが代表に呼ばれたときは、すごく緊張したから、こういう若い人のメンタリティーは学ばないといけない。

 ――若手の台頭は代表生き残りを厳しくする

 槙野:(DF)三浦弦太(23=G大阪)には「海外に行けるチャンスがあるなら行ったほうがいい」と言ったけど、僕にとっては、これから何か環境を変えるよりも与えられた環境でやるべきことをしっかりやりたい。リーグチャンピオンなど達成していない目標に、全力で向き合うことが大事。与えられた環境の中で意識を高く持ってやっていきたい。

 ――13年ぶりのJ1優勝を目指すチームの状況は

 槙野:各ポジションで面白いくらい激しい争いが繰り広げられている。毎試合毎試合メンバーに入る18人がコロコロと変わってきそうなくらい。そういう環境がつくれているのは僕自身、うれしい。

 ――個人的にはオフなしでシーズンに突入

 槙野:アジアカップから帰ったときはコンディションが悪かったけど、キャンプでやるべきことを整理しながらやっていく中で日に日に良くなった。今のコンディションでアジアカップに臨みたいくらい(笑い)。結果的にオフを取らずにキャンプに臨んだのは良かったと思う。

 ――浦和では今季から副主将に就任

 槙野:よりチームに対して意見を言わなきゃいけない立場。苦しいときに支えられるような存在にならないといけない気持ちが強くなった。

 ――2年ぶりのACL優勝も目標だ

 槙野:ACLはどんな問題にも動じないメンタルが大事になる。(2017年に)優勝したときも(アウェーで)それを学ばせてもらった。

 ――問題とは

 槙野:(アウェーでの試合で)時間通りバスが来ないとか、ホテルを変えられたり、ホテルでサイレンが鳴ったり、部屋の電話が鳴ったりしたり、練習から帰ったらホテルのカードキーが使えなくなってたこともあった。それにスタジアムの前でわざと事故を起こされて、道が通れなくなって(試合開始)40分前に到着したときも。大分の代表戦(18年11月)で(渋滞のため試合開始)50分前に着いたけど、それよりも遅いよね。

 ――ところで親交のあるMF香川真司(29=ベシクタシュ)がトルコで復権の兆しを見せている

 槙野:日本サッカーにとってもそうだし、本人にとってもいいこと。ただ(MF)乾(貴士=30、アラベス)が(解説者の)セルジオ(越後=73)さんのこと(※)を言っていたように、試合に出ることが全てではないと思う。だから彼がどの国でプレーしようが、試合に出ようが出まいが応援していきたい。

※乾は12日に自身のツイッターでセルジオ越後氏の発言に反論。同氏の「香川真司の(トルコ)移籍は遅い。海外に移籍したら良くなるのは勘違い」といった主張に対して「誰も海外に行っただけで満足してる選手はいません」「もちろん試合に出れる事が一番やけど、そこでもがいて頑張る事も必要になる事はある」などと持論を展開した。

 ――長友と同じイスタンブールのクラブは香川にとってプラスになる

 槙野:素晴らしい仲間と同じ街で同じリーグでやることは、彼にとっていいサポートになる。

【サバイバル状態の代表CB戦争】日本代表でムードーメーカーの地位を確立した槙野も、激しいポジション争いにさらされている。バヒド・ハリルホジッチ監督時代にセンターバック(CB)の一角をつかんだものの、西野朗監督が指揮した昨年のロシアW杯ではDF昌子源(26=トゥールーズ)に先発の座を奪われた。森保一監督就任後は、DF冨安の急成長で1~2月のアジアカップでも主に控えだった。

 本人は今後の定位置奪還に意欲的だが、アジアカップに出場した三浦やロシアW杯出場のDF植田直通(24=セルクル・ブリュージュ)ら成長著しい若手との生存競争に勝たなければならない。さらに昌子が代表復帰となればCBの枠から漏れる可能性もある。

 幸い所属の浦和では出場機会に恵まれており、これまで以上に森保監督の心に響くパフォーマンスを求められそうだ。

☆まきの・ともあき 1987年5月11日生まれ。広島市出身。2000年にJリーグ広島のジュニアユースに入団し、06年にトップチームへ昇格。11年1月にドイツ1部ケルンに移籍。12年1月に浦和に加入した。日本代表は09年に初選出され、国際Aマッチ38試合4得点。18年ロシアW杯に出場した。夫人は女優の高梨臨。182センチ、77キロ。