ヨルダンに敗戦でよぎる最悪シナリオ

2013年03月31日 16時00分

 ザックジャパンに“最悪のシナリオ”がささやかれている。26日の2014年ブラジルW杯アジア最終予選ヨルダン戦(アンマン)で1―2と敗れた日本代表が27日に帰国。期待されたW杯出場権の獲得は持ち越しとなり、強化プランも大幅な軌道修正を求められる事態となった。波紋が広がるなか、日本サッカー協会でも今回の敗戦により最大20億円の損失が出る可能性があるという。これはいったいどういうことなのか――。

 

 

 日本サッカー協会の原博実技術委員長(54)はヨルダン戦前にこう話していた。「日本が(予選で)一歩リードしているのは間違いないが、W杯出場が確実に決まるまでは、何が起こるかわからない。日本は(予選)最終戦がないので怖いですよ。プレーオフだってあるんだし…」

 

 今回の敗戦の影響は小さくない。日本の同予選次戦(6月4日、埼玉)の相手・オーストラリアは出遅れているとはいえアジア屈指の強豪。続く11日の同イラク戦(アウェー)も開催地は未定ながら、敵地での戦いは今回のヨルダン戦同様に大きなハンディとなる。仮に、この2試合に敗れるようなことがあれば、最終節に試合がない日本は巻き返す場もなく、B組3位へ転落する可能性も出てくるのだ。

 

 今回のアジア予選ではA、B各組の上位2か国がW杯出場権を獲得し、3位になるとアジア地区プレーオフ(9月、ホーム&アウェー)に進む。勝ち上がると、今度は南米予選5位国との大陸間プレーオフ(11月、ホーム&アウェー)を戦わなければならない。

 

 一方、ザックジャパンではW杯出場を決めた場合に備え、9、10月に国内で親善試合、11月に欧州遠征と最大で6試合を予定。ところが、日本が3位となれば、これらの親善試合の開催がすべて消滅してしまう。しかも、プレーオフに回ることは、強化プランの大幅な修正と同時に、日本サッカー協会の財政面にも大きな影響を与えることになる。

 

 公式戦のアジア地区プレーオフでは、試合開催によるテレビ放映権や広告ボード掲出によるスポンサー権料などはアジアサッカー連盟(AFC)の収入。日本側は入場料など一部しか収入が入ってこない。日本が国内で親善試合を開催すれば、すべてが日本側の収入となり「1試合で約4~5億円の収入」(川淵三郎最高顧問)が得られる。

 

 日本代表は国内で親善試合を最大4試合予定しており、プレーオフなら5億円×4試合で推定20億円もの収入が消える。協会幹部も「日本代表がプレーオフに出るか出ないかは、収入面で大きな差が出るので、協会にとっては大きな問題になる」と指摘しており、今回の敗戦で“最悪のシナリオ”が浮上し始めた。

 

 日本代表は次のオーストラリア戦に引き分け以上で出場権を獲得できるが、これまで順風満帆だったザックジャパンの行く末に、協会側も不安をつのらせている。