【前園真聖・ゾノの焦点!】トルコ1部ベシクタシュにレンタル移籍したMF香川真司(29)は3日(日本時間4日)、6―2で圧勝した敵地でのアンタルヤスポル戦で後半36分から出場。新天地でのデビュー戦でいきなり2得点する活躍を見せた。ドルトムントでの今季の不遇から一転してのプレーに、本紙評論家の前園真聖氏(45)も「日本代表にいるべき選手」とアジア杯準Vに終わったチームの活性化につながることを期待した。

 アジアカップに臨んだ森保ジャパンは準優勝と残念な結果でした。約1か月の戦いを通じてチームが成長するとともに課題も浮き彫りになりました。その一つがFW大迫勇也(28=ブレーメン)の“存在”です。

 日本FW陣では突出したレベルの彼がボール保持をすることから日本の攻撃は始まります。ただ大迫が不在ならチームが機能しない、出場してもアジア杯決勝カタール戦がそうだったように厳しくマークされてしまいます。彼を自由にさせなければ日本の攻撃を防げると、すでにアジア各国も承知済みでしょう。

 では、今後どう対応するのか。布陣を2トップに変更し、攻撃のバリエーションを増やすことが考えられます。場合によってはMF南野拓実(24=ザルツブルク)やMF堂安律(20=フローニンゲン)ら自慢の若手を揃える中盤の構成を変える必要が出てくるかもしれません。そこは森保監督の手腕に注目です。

 もちろん、収穫もありました。DF冨安健洋(20=シントトロイデン)の成長です。落ち着いていましたし、対人プレーや空中戦も悪くありません。出足も良かったですし、彼の台頭はチームにとって朗報になりました。国際経験は少ないものの、重要な戦力になるのは間違いありません。

 今後の注目はトルコ1部ベシクタシュに移籍したMF香川真司(29)です。まだ衰えるような年齢ではありませんし、当然、代表にいるべき選手ではないでしょうか。彼が復帰すれば、南野や堂安をはじめ、日本の攻撃陣も活性化するはず。カタール移籍が浮上するMF中島翔哉(24)とともに期待しています。