元イタリア代表DFのファビオ・カンナバロ監督(45)が率いる中国1部の広州恒大が、覇権奪回に向けて“爆買い”を再開させた。

 資金力にものをいわせて大物選手を買いあさる中国クラブのパイオニア的な存在だったが、2017年2月に外国人枠の縮小に伴い、同クラブは20年までに所属選手を中国人で固めると宣言。自国選手の育成に力を入れていく方針を打ち出していたのも、すっかり忘れているかのような積極的な補強を進行中だ。

 すでにスペイン1部バルセロナでプレーする元ブラジル代表FWマウコム(21)の獲得に向けて移籍金5000万ユーロ(約62億円)のオファーを出したという。さらにオランダ1部アヤックスのブラジル人FWダビド・ネレス(21)もターゲット。オランダメディアは、3000万ユーロ(約37億円)の移籍金を払えば、アヤックスは売却に応じると報じた。

 昨年7月には、17年8月にバルセロナへ移籍したブラジル代表FWパウリーニョ(30)を4200万ユーロ(約52億円)で買い戻しており、新シーズンに向けて、移籍金だけでも計1億2000万ユーロ(約148億円)を投入する構えだが、その背景にはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)優勝から遠ざかっている事実がある。

 13、15年に頂点に立ったものの、昨季はベスト16で姿を消した。莫大な資金でアジアのタイトル取りに突き進む姿勢は、3年連続ACL優勝を狙うJリーグ勢にとって脅威となりそうだ。