【UAE・アルアイン17日(日本時間18日)発】アジアカップ1次リーグF組最終戦で日本はウズベキスタンに2―1と逆転勝ちし、3連勝で1位突破を決めた。決勝トーナメント1回戦(21日)で強豪サウジアラビアと対戦する。この日はサブ組が躍動し、チームの不穏なムードを一蹴。2011年カタール大会で優勝を経験したベテランDF長友佑都(32=ガラタサライ)も2大会ぶりのアジア制覇に太鼓判を押した。

【VTR】日本はサイドから効果的に攻めて逆転勝ちした。0―1の前半43分、DF室屋成(24=FC東京)の右クロスにFW武藤嘉紀(26=ニューカッスル)が頭で合わせて同点。後半13分に右クロスからのこぼれ球にDF塩谷司(30=アルアイン)が反応し、鋭い左足ミドルシュートを突き刺した。守備は前半40分にDF槙野智章(浦和=31)とDF三浦弦太(G大阪=23)がFWショムロドフに振り切られて先制を許したが、後半は相手の速攻に体を張り、GKシュミットも好守で救った。

 森保一監督(50)は先発を10人変更。予告通り、腰を痛めているGK東口順昭(32=G大阪)以外1次リーグで全選手に出場機会を与えると、先制弾の武藤や決勝点の塩谷をはじめ、不調だったFW北川航也(22=清水)、右サイドのMF伊東純也(25=柏)など揃ってアピールに成功した。

 ベンチから試合を見届けた長友は「シオも武藤のゴールもうれしかった。航也もめちゃくちゃ走ってたし、明らかに良くなっている。室屋も(DF佐々木)翔(29=広島)も本当によかったから。彼らが活躍しないと日本代表もノッてこない」とサブ組のプレーを絶賛した。

 さらにロシアW杯で左サイドでコンビを組んだMF乾貴士(30=ベティス)も完全復活。この日のパフォーマンスについて「あいつがどれだけチームの守備を支えていることか。あいつが出たときの関係は分かり合っている」と今後のタッグ再結成に期待を寄せた。

 前2試合は勝利したものの、格下相手に苦戦するなど低調なゲーム内容で先行きが懸念されていた。さらに森保監督の起用法を巡り、選手から疑問の声が噴出。チーム内に不穏なムードも漂っていた。そんな中でサブ組が好プレーを見せ、不安を一蹴。試合を積み重ねることでチーム力も確実に高まってきた。

 長友は「流れは締まってきている。(優勝した)11年(カタール大会)のときも試合に出ていない選手が活躍してチームの士気を上げてくれた。あのときとかなりかぶるものがある。またチームが一つになった気がする」と分析。劇的Vを飾った2大会前のザックジャパンと現チームの雰囲気を重ね合わせた。

 さらにグループ1位突破で決勝トーナメント1回戦からは、試合ごとに開催都市が変わり、移動負担は増えるが、そのデメリットを上回る成果があったという。「誰が出てもいいプレーができることを証明した。相手チームとしても怖いと思うよ。今日の試合、これだけ良ければ次に誰が出てくるか、どういう戦術で来るのか分からない。チームの色を変えられる。本当に“カメレオン戦術”だと。そういうチームに一気になった」

 指揮官が変幻自在の采配を振れる態勢が整ったことで、ライバル国にとっては脅威になるというわけだ。3連勝という結果を出し、進化を遂げた森保ジャパンは、アジア王座奪還へ向け、ようやく臨戦態勢を整えた。