【UAE・アブダビ13日発】森保ジャパンが、アジアカップ1次リーグF組の第2戦オマーン戦で審判も“味方”にして1―0と辛くも勝利。2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。

 右でん部の違和感で欠場したFW大迫勇也(28=ブレーメン)に代わり、1トップにFW北川航也(22=清水)をスタメンに大抜てき。決勝トーナメント進出がかかる大事な一戦で、森保流の大胆采配が飛び出した。

 試合は日本が序盤から何度も決定機をつくるも、なかなか決めきれない展開。すると前半26分、シュートのこぼれ球に反応したMF原口元気(27=ハノーバー)に対して、MFマハイジリ(33)が足を出してPKを獲得。オマーン側は足が当たっていないと主張したが判定は覆らず、原口がPKを落ち着いて決めて先制に成功した。

 その後はオマーンが反撃に出て、同45分にはシュートからのこぼれ球をフリーでMFヤハヤエイ(20)が強烈なシュート。これをDF長友佑都(32=ガラタサライ)が出した左手に当たって防ぐ格好となったが、CKとなったため、オマーンの選手たちが一斉に猛抗議。しかしまたも判定は覆らず、日本にとっては命拾いとなった。

 日本有利とも取れる判定が続いたことで、オマーンサポーターが大挙押し寄せたスタジアムは殺気立った雰囲気に。そんな中、指揮官は不振の北川に見切りをつけてFW武藤嘉紀(26=ニューカッスル)を投入。だが攻撃陣はなかなかチャンスを生かしきれない。それでも虎の子の1点を守り切って2連勝。苦しみながらも決勝トーナメント進出を決めた。

 これまで中東の地では“中東の笛”に悩まされてきた日本だが、この日は逆に判定が追い風となりアジア王座奪還へまた一歩近づいた。