サッカーのドイツ1部ドルトムントに所属する元日本代表MF香川真司(29)が今冬に熱望するスペイン移籍が、厳しい状況となってきた。

 昨夏のロシアW杯で日本の10番を背負って16強入りに貢献したが、今季はクラブでルシアン・ファーブル監督(61)の構想外となり、ここまで4試合の出場のみ。この苦境を打破するために移籍を模索しており、かねて憧れるスペイン1部のクラブを新天地として求めたい意向だ。

 しかし2020年6月まで契約が残っている。設定された移籍金1000万ユーロ(約12億3000万円)がネックとなり、年が明けて冬の移籍が解禁となっても目立った動きはない。資金力のあるクラブは香川を求めるような状況になく、中堅以下のクラブは資金不足だからだ。

 これに呼応するように、地元紙「ルールナハリヒテン」は「香川はドルトムントを離れて、スペインに行きたいようだ。それは積まれた干し草の山から針を探すようなもの」と題した記事を掲載。「スペイン1部クラブに香川を受け入れるチームは見当たらない」と厳しい現実を伝えている。

 またドイツの全国紙「ビルト」は、香川の退団を確実視しながらも、高額年俸(400万ユーロ=約4億9000万円)が移籍のネックになると報じた。一方で同紙は、ドイツ国内の他クラブへレンタル移籍する可能性も指摘するが、クラブ側が難色を示していることに加え、ディスカウントが必要だという。

 香川は移籍について「具体的な話はまだ進んでいない。早く決めればいいという問題でもない。しっかりとしたプランを持って、相手もあってのことなので」と話すが、スペイン進出が難しい状況の中、果たして今冬の移籍は実現するのだろうか。