J1鹿島のプリンスに欧州クラブが熱視線を注ぐ。

 クラブW杯3位決定戦(22日、UAE)で鹿島は南米王者リバープレート(アルゼンチン)と対戦する。準決勝では欧州王者レアル・マドリード(スペイン)に1―3と実力の差を見せつけられたが、今大会で評価が急上昇したのが、FW安部裕葵(19)だ。

 北中米カリブ王者グアダラハラ(メキシコ)との準々決勝では、途中出場から豪快なミドルシュートを突き刺し、イタリア紙「コリエレ・デロ・スポルト」が「デルピエロになった」とかつてのイタリア代表エースに形容して絶賛。欧州クラブのスカウトも興味を示し始めた。

 J1クラブ幹部は「海外スカウトは国内にいる20歳前後の若手選手に注目していて、まだJで試合に出始めたような選手でも引き抜かれるかもしれない」と指摘。特にオランダ1部フローニンゲンでプレーするMF堂安律(20)の台頭もあって、さらなる成長が見込める若手をターゲットにしているという

 昨年7月にスペイン1部セビリアとの親善試合で相手選手を翻弄したドリブルで評価を高めたが、クラブW杯のパフォーマンスでさらに株を上げたのは間違いない。すでにスペイン中堅クラブやドイツ1部ドルトムントが関心を寄せる中、今後は欧州クラブが獲得に名乗りを上げる可能性もあり、シ烈な争奪戦が繰り広げられそうだ。

 鹿島では来年1月にDF昌子源(26)がフランス1部トゥールーズへの移籍が濃厚。さらに今大会を欠場したFW鈴木優磨(22)やMF三竿健斗(22)も欧州クラブが調査している。今冬はヤングカシマの動向から目が離せない。