森保ジャパンに“半端ない”問題が浮上した。国際親善試合キルギス戦(20日、豊田)に臨む日本代表は来年1月のアジアカップ(UAE)を見据える。元日本代表MF前園真聖氏(45=本紙評論家)は、MF南野拓実(23=ザルツブルク)ら“三羽ガラス”のさらなる躍進について、1トップを務めるFW大迫勇也(28=ブレーメン)がポイントになると指摘。しかも代役がいない存在としてアジア王座奪還に向けて懸念を示した。

 9月に発足した森保ジャパンでは、10番を背負うMF中島翔哉(24=ポルティモネンセ)、4試合4得点のMF南野、2020年東京五輪エース候補のMF堂安律(20=フローニンゲン)が台頭し、若手の“三羽ガラス”として注目される。

 前園氏は「3人は特にゴールに向かう姿勢が素晴らしいです。ドリブルなどで推進力があって攻撃にも迫力が出ています。チャンスメークもできるし、得点も奪える。これからが楽しみな選手たちです」と大絶賛。しかし「彼ら3人が代表で活躍できているのは、大迫の存在があってこそと言えるんじゃないでしょうか」と指摘した。

 大迫はロシアW杯1次リーグ初戦コロンビア戦で貴重な決勝弾を決め、16強入りした日本の躍進に貢献した一人。ポストプレーヤーとして攻撃の起点となり、森保ジャパンでもチームをけん引する。前園氏は「大迫が最前線で体を張って起点になり、タメをつくる。そこにサポートに入ることで3人はぞれぞれの持ち味を発揮できているんです」と説明した。

 実際、16日の国際親善試合ベネズエラ戦でも後半23分に大迫がベンチに下がると、攻撃陣のバランスが崩れたという。「大迫がいなくなると、ノッキングを起こしていました。リズムは出ないし、イメージも共有できていないという感じに見えました。チームとしての攻撃は連係を欠いて、単調になっていました」と分析する。

 だからこそ「1トップに大迫がいないと攻撃面はかなりキツイと思います。ベネズエラ戦でわかったように若手3人も躍動できない中、チームとして攻撃をどう展開していくか。それに彼の代わりになるには、レベルの高い欧州でやれていないと無理でしょう。たとえば? 岡崎(慎司=32、レスター)か、それとも武藤(嘉紀=25、ニューカッスル)か…。今はちょっと見当たりません」。

 王座奪還に向けて臨むアジア杯についても「約1か月の戦いですし(レギュラーの)11人だけでは戦えません。大迫の代役がいないことも含め、サブ組と差があると感じてます。そこは現チームの大きな課題ではないでしょうか」と危惧していたが、森保一監督(50)は、この“半端ない”課題を解消できるか。