最後に頼れるのはやっぱりあの男――。国際親善試合キルギス戦(20日、豊田)に臨む日本代表は18日、愛知・豊田市内で一部非公開で練習を行った。来年1月のアジアカップ(UAE)に向けて、MF中島翔哉(24=ポルティモネンセ)ら“三羽ガラス”が注目される中で、イレブンが期待を寄せるのは主将のDF吉田麻也(30=サウサンプトン)だ。

 アジア杯は、9月の森保ジャパン発足時から攻撃をけん引するヤングトリオの中島、MF南野拓実(23=ザルツブルク)、MF堂安律(20=フローニンゲン)の活躍が期待されている。だが、相手に徹底マークを受ける可能性は高い上、守備戦術を採用されてゴール前を固められて、攻めあぐねる展開も予想される。

 そんな状況下でイレブンが期待するのは吉田だ。国際親善試合ベネズエラ戦(16日)で代表初ゴールを挙げたDF酒井宏樹(28=マルセイユ)は「点を取れる(DF)選手は麻也君もいる。(アジア杯は)DFが点を決めるのも(勝ち進む)ポイントになる。僕は日本代表で(MF中村)俊輔さん(40=磐田)のCKからDFの中沢(佑二、40=横浜M)さんが決めるのをよく見てきたので」。

 実際、吉田は、国際Aマッチ10得点(歴代27位)で現代表メンバーでは得点数トップ。しかも2011年アジアカップ1次リーグのヨルダン戦で0―1の後半アディショナルタイムに同点弾、同9月のブラジルW杯アジア3次予選北朝鮮戦でも後半アディショナルタイムに決勝ゴールを記録しているように、終盤での勝負強さは際立っている。

 特に身長189センチの高さを誇り、CKなどセットプレーからのヘディング弾は自慢の武器。吉田本人も「もっと点を取れるようになりたい」と意欲的だ。アジア王座奪還に臨む新主将の責任は重大。選手をまとめることはもちろん、チームを救う一撃など、求められるものは多そうだ。