サッカー日本代表でシ烈な次期エース争いが展開される。森保ジャパンは16日、国際親善試合ベネズエラ戦(大分)で1―1と引き分けて4連勝を逃したが、南米の強豪を相手に互角に渡り合い、来年1月のアジアカップ(UAE)に向けて大きな弾みになった。9月の新チーム発足後、攻撃をけん引した若手の“三羽ガラス”への注目度が高まる中、日本のエースに就任すれば60億円超のビッグマネーを手にできるという。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング50位の日本は、同29位と格上の南米ベネズエラを相手に持ち味を封じられた。前半39分にMF中島翔哉(24=ポルティモネンセ)のFKからDF酒井宏樹(28=マルセイユ)のゴールで先制するが、後半36分には酒井が与えたPKを決められて同点。森保ジャパンの連勝は3で止まった。

 3試合連続ゴール中だったMF南野拓実(23=ザルツブルク)は無得点に終わり「決め切れていれば、また変わった状況になった」とし、決定機を外したMF堂安律(20=フローニンゲン)も「ああいうところで決め切るか決め切れないかが、上に行けるか行けないかになる」とそれぞれ反省した。

 とはいえ、チームの歯車がかみ合わない中で奮闘し、負けなかったのは大きな収穫。来年1月のアジアカップに向けた強化は順調に進んでいる。とりわけ注目されるヤングトリオの中島、南野、堂安への期待は高まる一方だが、ピッチ外でも熱い視線が注がれている。

 大手広告代理店の関係者は「次世代のスター候補の3選手は、大手企業からも非常に注目されている。この中の選手の一人が、ある企業とかなりの大型契約を結ぶ話も進んでいる」と明かす。

 スポーツ界で「超一流」と認められたアスリートには巨大なマネーが動く。男子テニスのロジャー・フェデラー(37=スイス)が今夏に日本の衣料品大手ユニクロと10年総額3億ドル(約340億円)で契約。サッカーFWクリスチアーノ・ロナウド(33=ユベントス)もスポーツメーカーのナイキと80歳まで総額1000億円を超える“生涯契約”を結んでいる。

 日本人選手でも、男子テニスの錦織圭(28=日清食品)がユニクロと推定5年60億円、男子ゴルフの松山英樹(26=LEXUS)がゴルフ用品大手のダンロップと推定5年30億円などと、高額契約を交わしている。日本代表のエースの座を勝ち取れば、世界からの注目度も抜群なだけに、錦織の60億円に匹敵するビッグマネーを生み出す可能性があるのだ。

「企業側にとっては、日本のエースとして突出した存在になる選手と契約したいという考えもあるし、現在はどの選手がそうなるのかを各社見極めている状況でもある。今後の活躍次第で、動くお金も変わってくるのでは」(同関係者)

 長年エースとして君臨した元日本代表MF本田圭佑(32=メルボルン・ビクトリー)やMF香川真司(29=ドルトムント)は多くの企業と契約し、サッカー界のCM王と呼ばれた。2人を超える“ジャパニーズ・ドリーム”を手にするのはいったい誰か。次戦のキルギス戦(20日、豊田)やアジアカップでの活躍が鍵になりそうだ。